◇18 ページ18
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真剣に話す時は
普段のトーンよりも少し…低くなる声
紫耀「最近仕事が忙しくてバーにも行けてなくて
連絡先聞くのも忘れてたから、Aさんがここに来てくれなきゃ会えなくてさ
だから俺、さっきAさん見つけた時すげぇ嬉しくて」
彼はさらっとそんなことを言う
でも、本当に嬉しそうな顔をするから
少し幼さの残るその顔に
また胸が…ぎゅっと締め付けられてしまう
紫耀「俺…もっとAさんのこと
知りたいんだけど」
本当は少し嬉しかった
でも、どこかでブレーキをかけるわたしがいて
素直に言葉は出てこなかった
A「……そんな…わたしなんか…」
そんな情けない返事しかできないわたしに
彼は手帳を取り出し、なにも書いてないページを開くと
そこにボールペンで数字を並べ
おもむろにそのページを破いた
紫耀「これ、俺の番号」
わたしのもとへ手渡されたその紙
少し不器用な文字が並んでいて
紫耀「俺、Aさんからの電話ならいつでも絶対でるから
Aさんから電話してくれるの待ってる
だから…これはまだAさんが持ってて」
わたしにアクションを委ねる彼は
やっぱり…ずるいと思う
そして彼は、番号の書かれた紙と一緒に、鍵をもう一度わたしの手に握らせる
わたしはそれを受け取るだけで精一杯だった
A「………今日は、…もう帰ります」
整理できない頭はもううまく働かなくて
小さくそう告げると
紫耀「…うん、わかった。もう遅いし、送る」
そう言って立ち上がった彼
A「…いや…送るなんて、いいです！ すぐ近くだし…」
紫耀「俺がそうしたいの」
上着と帽子を被るとわたしのバッグを勝手に持ち
玄関に向かっていく彼
その後を必死に追いかけて、わたしは彼のTシャツの裾を掴んで引き留めた
A「…あの！…本当にっ…大丈夫ですから…」
立ち止まった彼は、しばらく黙り込むから
不思議に思っていると
紫耀「………ああ、もぉー！」
髪をがしがしと掻きながら
ため息まじりの大きな声を漏らした
紫耀「そんな顔されたら、帰したくなくなるから笑」
そう言われて、わたしは恥ずかしくなって
慌ててシャツの裾を離した
紫耀「いくよ」
そんなわたしをみて優しく微笑んだ彼は
そのまま車のキーを手に取った
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たむ - めちゃくちゃ面白くて引き込まれました！！これを楽しみに仕事頑張ります！！更新される事を待っています(>_<) (2021年7月4日 3時) (
レス) id: 7855f798e1 (このIDを非表示/違反報告)
サンリオ(プロフ) - 更新されていて嬉しいです。ありがとうございます (2020年3月14日 16時) (レス) id: ff278406bf (このIDを非表示/違反報告)
ラピス(プロフ) - 初めまして。読ませて頂きました。確かにきっかけは何でもいいとおもいますよね。人を好きになるって力をくれますが…切なさとかもあったりして色んな感情を与えてくれたりしますよね。お話し楽しみにしてます。 (2020年3月14日 11時) (レス) id: a9f033db9b (このIDを非表示/違反報告)
Azuki(プロフ) - 初めまして。更新ありがとうございます！素敵なお話で楽しみにしていました。続きもとても気になります！応援しています。 (2020年2月27日 20時) (レス) id: 8005b02827 (このIDを非表示/違反報告)
わわ(プロフ) - みゆさん» コメントありがとうございます！！更新がんばります！ (2020年2月2日 21時) (レス) id: 1ed40d5049 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：わわ | 作成日時：2020年1月25日 19時
