この手に余る幸せを【約ネバ/短編集】

策士な後輩2【ノーマン】(ぬん) ページ21

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「お邪魔します…。」
「どうぞ。」


白い家具で統一された部屋は如何にもノーマン君って部屋だ。
本棚には難しそうな本がぎっしり詰まっていて、やはり天才だとつくづく痛感した。



「先輩って、押しに弱いですよね。」
「うっ、ま、まあ確かにそうだけど…。」
「断ってくれたら僕も歯止め効いたのになぁ。」
「ん？なんか言った？」
「ううん、なんでもないです。」


「さ、飲みましょ」ってニコッと笑うノーマン君は少し頬が赤い。
でも、まあ、お酒を目の前にしてそんなこと気にしてられないが。


「乾杯！」



***




グラスを合わせてから数時間が経った。

お酒が回ってぼーっとしているとノーマン君はネクタイを緩めながらニコニコと私のところへ来た。



「先輩、バカですよね。」
「な、いきなり…！」
「だって、僕達いい歳した大人ですよ？それなのに普通に僕の家上がってきて…。」


ノーマン君がニヤッと笑いながら私を壁に追いやる。
酔いが一気に冷めた気がした。


「先輩も、本当はこうなることわかっててきたんじゃないですか？」


ドンッという音とノーマン君の色気がある声に思わず唾を飲む。



「先輩、僕のこと可愛いって言いましたよね。」


「…もう一生そんなこと言わせませんから。」



ノーマン君は私のボタンに手をかけそう言った。



「…ノーマン君、」



本当は私もこうなることを望んでいたのかもしれない。
誰よりもカッコ良いノーマン君を見て、そう思った。



「先輩、綺麗です。」


ニコッと笑う彼は私の首元に赤い花を咲かせてそう言った。



「ずっと欲しかったんですよ、先輩のこと。」
「だから、僕のものになってください。」



できる後輩は女を虜にするのも上手いらしい。



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((すみませんでした))

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