泣くほど良かった?【ノーマン】(相沢恋) ページ11
「ノーマン、A!一緒に鬼ごっこしよう!」
私とノーマンが談笑していると、エマが思い切りドアを開け、笑顔で言った。
「良いよ、Aは?」
「…うーん、私はパスかなぁ。昨日遅くまで本を読んでいたから眠くて」
そう?と残念そうに呟くと、エマと一緒に行ってしまった。
その背中を見送ってベッドの上でうとうとする。
そうして居眠りをしていたらあっという間に時間が経ってしまったようで、すぐにノーマンが戻ってきたように感じた。
「あれ…?早かったね」
「うん、Aが居なくて集中できなかった。」
「えへへ………ん…どうしたの?」
ベッドの真ん中でごろごろしていると、ノーマンが私の上に覆いかぶさるようにして見下ろしてきた。
「…キスがしたい。」
目を細めてそう言われて戸惑う。
今まで散々してきたでしょ、と続けられて更に恥ずかしさが増した。
「……うん」
「ん。」
「えっ私からするの…?」
「当たり前だろう?」
何が当たり前なのかだろう。やれとせがまれて唇を重ねる事に抵抗を覚えた。
「目…閉じてね…」
ちょっとだけ上体を起こして、素直に目を瞑ってくれたノーマンの唇に自分の唇を近づける。
真っ白で何も考えられなくなった頭では、いつもどうしていたのかすら思い出せなかった。
そのせいで、初めてキスをする女子のようなぎこちなさになってしまった。
「……っん、随分と控え目だね」
ごくりと喉を鳴らして黙り込んでしまう私を満足そうに見ていた。
「…A。好きだよ」
「………いきなりどうしたの?…んっ」
ぐっとベッドに押し倒され唇を奪われた。
混乱しているうちに口内に舌が入ってきてぬるりと舌を絡められる。
腹の奥が熱くなって、どこか切なくて苦しいような感覚に喘ぎが漏れる。
とろとろに熱く溶けるようなキスが脳みそをダメにしてしまうんじゃないかと思った。
「…ん、……は……ぁ……っ」
苦しくてノーマンの胸を押す。
やっと離された口からひんやりしとした空気が流れ込んで熱くなった口内と喉に染み込んで心地よかった。
「泣くほど良かった?」
くすりと笑って目尻に浮かぶ涙を親指で拭われる。
「…ん……」
肩で息をしながらこくん、と頷くと、ノーマンがちょっとだけ目を見開いてからまたすぐに微笑んでくれた。
***
NEXT→ぬん
154人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ドラゴン - 神作品の作者さんだらけじゃないですか!全部すごく面白くて‥‥更新頑張ってください! (2019年3月3日 9時) (レス) id: cddb962df9 (このIDを非表示/違反報告)
おうとつ - 作者さん豪華すぎません!?なんと言うか、私得の方々ばかりで…!!見ててすっごく楽しいです!!ぬんさんの触れたいってやつ設定から何まで素晴らしいと思いました!それに相沢恋さんのは夢主ちゃんが可愛くって面白くって!菫の花さんの話もすっごく癒されました! (2019年2月27日 13時) (レス) id: 19c8a82e34 (このIDを非表示/違反報告)
はにかみ - 作者欄が豪華……!ワタ愛完結おめでとでーす!相沢さんの名前を見て速攻来たww応援してます! (2019年2月26日 19時) (レス) id: a2358f35c9 (このIDを非表示/違反報告)
あやあや - ワタ愛終わってしまったので、悲しい気持ちと嬉しい気持ちがごちゃごちゃになりながら見ました!!…本当に面白かったです…。ぬんさんの小説も、シリアスで面白かったです!良いですね、こう言う番外編! (2019年2月26日 18時) (レス) id: 34be4b000a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ぬん、菫の花、相沢恋 x他3人 | 作者ホームページ:http://urana
作成日時:2019年2月26日 18時