第61話 ページ17
「では…本音を伺ってもよろしいかな?」
「オークの罪は、全て俺たちが引き受けた。文句があるなら俺たちに言え。」
「お、お待ちいただきたい!いくらなんでもそれでは道理が!」
「それが、魔王ゲルドと私たちとの約束なんだよ。」
「…なるほど。しかし、それは少々狡いお考えですな。」
まぁ、簡単には受け入れられないだろうな…。ん?
ベニマルが前に出て言う。
「魔物に共通する唯一不変のルールがある。弱肉強食。立ち向かった時点で覚悟は出来ていたはずだ。」
「お前たちも里を滅ぼされているけど…文句は無いのか?」
そう、私がいちばん怖いのはベニマルたちが反対すること。
里を滅ぼされた辛さもやるせなさも分かってる。私はゲルドの過去や想いを体験したが、彼らはそうじゃない。
そう考えていたが…
「無いと言えば嘘になりますが…次があれば、同じ無様は晒しませんよ。」
っ!
みんなが頷く。
あぁ、みんな本当に強い。
「うむ。」
「なるほど、正論ですな。ですが、1つどうしても確認させて頂きたい。」
「なんだ?」
「オークをどうなさるのですか?」
「ううむ…」
「オークの罪を問わぬということは、生き残った彼ら、全てを受け入れるおつもりですか。」
「確かに数が減ったとはいえ、15万のオークがいる。それでだ。」
「…夢物語のように聞こえるかもしれないが、みんなで協力出来ないか、と考えている。」
「協力…」
「と、言いますと?」
「リザードマンからは、良質の水資源と魚を。ゴブリンからは住む場所を。俺たちの街からは加工品を提供出来ればと思っている。」
「そしてその見返りとして、オークからは労働力を提供してもらうんだ。」
「おぉ…!」
「ジュラの大森林の各種族間で大同盟を結び、相互に協力関係を築く!」
「他種族共生国家とかできたら面白いよね。」
「わ、我々は、その同盟に参加させてもらえる、と…?」
「帰る場所も行くあても無いんだろ?」
「居場所は用意してやる。ちゃんとサボらず働けよ?」
「!!
ははっ!もちろん…もちろんですとも!命懸けで働かせてもらいます!!」
「うむ、是非、協力させて頂きたい。」
「トレイニーさんも、良いかな?」
「よろしいでしょう。私の守護するトレント族からも、森の恵を提供致しましょう。当面、オークたちの飢えを癒すことができるかと思います。」
「おお…!」
オークは涙を流して喜んでいる。
上手く行きそうで良かった。
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最高です! - 最高最高最高最高最高 (9月27日 19時) (レス) @page6 id: e900712ad7 (このIDを非表示/違反報告)
nana1021kpsg(プロフ) - とても面白くてお気に入り作品にさせていただきました!ただ、誰が何を喋っているか分かりづらいので、名前等を書いていただけるとありがたいです。 (2023年3月31日 1時) (レス) @page6 id: 06273e7c15 (このIDを非表示/違反報告)
花怜?ゃ?(プロフ) - もしかして犬夜叉…?? (2023年3月17日 10時) (レス) @page12 id: 364dcb601a (このIDを非表示/違反報告)
わらじ - アクトの鳴き声可愛いです。 (2023年1月20日 23時) (レス) @page48 id: 42cb93ed04 (このIDを非表示/違反報告)
ユキ - すみません。誰かアクトについて教えていただけないでしょうか (2022年8月13日 0時) (レス) @page1 id: 54ed83ce57 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぬこ | 作成日時:2021年9月12日 19時