初恋は白王子 Ⅲ (ページ4)

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＂A！着いたで！"と玄関に腰掛け下ろそうとするが

『いや！...るっ、くんち』

河野)「おまっ！首！しまっとるって！」

降りるのを拒否するように純喜の首に回った腕に力が入る

白岩)「A」

フードを外すと綺麗な金髪がはらりと落ちる

目線を合わせれば涙をいっぱいに溜めた瞳がこちらを向いた

『瑠姫...くん』

目が合うとすぐに抱きつかれる

それを見計らって純喜は"ほんまにごめんな、あと頼むわ"と言って帰ってった

純喜の言う通りアルコールの匂いはあまりしない

体調が悪かったせいで酔いが早かったのだろう

落ちた純喜の上着を拾い、そのまま動こうとしない彼女を抱き上げてベットまで運ぶ

何も言わずに泣く彼女の背中を擦るがなかなか涙は止まらない

Aと再会した、結婚式の日もそうだった

酔って急に寝たと思ったら起きた途端隣にいた友達に泣きながら仕事の愚痴を零し始めた

元々仲の良い友達以外とは付き合い程度にしか飲まないらしく、問題ないと思ってAの友達も直接本人にこのことは言ってないそうだ

なので彼女も自分が酔うと泣き上戸になることを知らないだろう

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