初恋は白王子 Ⅲ (ページ27)

今日:2 hit、昨日:7 hit、合計:94,597 hit

・ページ27

.

『準備できたよ』

白岩)「...それで行くの？」

『え、うん。変？』

白岩)「いや、似合ってるけど...やばいな」

『ん？どっち？』

白岩)「それで雑誌載るの？」

『そうだね』

白岩)「他の奴に見せたくない」

『はい？』

"はぁ"とため息をつきながら言う彼

訳の分からないことを言いながら頭を抱えている

『時間ないんだけど』

白岩)「わかってるよ」

コートもびしょ濡れなわけで結局ジャケットまで借りた

『起こしてくれても良かったじゃん』

白岩)「何時に出るか聞いてなかったし」

信号待ちで止まる車内で軽く文句を言う

『10時から仕事って言った』

白岩)「大丈夫って余裕こいてたよね」

『...』

白岩)「すぐ帰る約束だったのに帰んないし、気づいたら寝てるし」

"自業自得でしょ"と図星を突かれ何も返す言葉がない

黙ったままの私が拗ねたと思ったのか"今度は休みの日に来な"と言われる

そもそも休日である彼はゆっくり休みを満喫していいにも関わらず、朝から事務所まで送って貰っているのだ

彼の優しさには頭が上がらない

通り過ぎたコンビニを窓から眺め、しょうがないと小さくため息をついた

.