Don’t bother me.2 (prince of legend)

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ーーー竜ーーー



「まじか。」




『まじかって何よ。』



Aは自転車を起こして、俺の方に歩いてきた。






『言われっぱなしでムカつくから、呼んでもらったの。』




「は？」





Aは腕を組みながら、視線を外している。



なんだ、


明日は選手権だぞ…



何しに来てんだ…





「なんだよ言われっぱなしって。」




『理事長の言いなりだと思ってるんでしょ。』




「あ…」




前に言ったことを思い出す。


あれか…



俺は両手で前髪をあげ、一歩前に出た。






つーか、そうだろ。



光輝の気持ちも無かったことにして、

伝説の王子とはい付き合います、なんてよ。






「やるとは思わねぇだろ。普通。」




『普通って、何？』



食い気味に聞き返すA。


なんだよ。


まじで喧嘩しにきたのか？




「普通は付き合う奴は、自分で決めるもんだろ。」




Aはぐっと下唇を噛んで、下を向いた。

そして、拳を握って立ったまま言った。






『…そうできたらそうしてるよ。』





そうできたら…


どういう意味だ？




そうできたらしてるって、


この宣言がなけりゃ、


他に付き合いたかった奴がいるってことか…？




ああ、


そっか。





「お前、光輝とはどうすんだよ。」




『え…』




「どう思ってんの？」




Aの顔がボッと赤くなる。





キスする一件の前も、いい感じだったのは事実。


もしかして選手権があるから、

光輝に返事を伝えられてなかったのかもしれねぇ。





『それは…』




Aがあきらかに動揺し、目が泳いでいた。



そんな顔したら、察しがついちまうだろ。





本当にそういう事かよ…






「ちゃんと想い伝えてやれよ。」




『は？』




Aは髪を耳にかけ、ぐっと眉に力を入れている。




「だから、」




こんな事、俺に言わせんのかこの女は。



ったく、まじでタイマンしにきたのかよ。




明日だぞ？




選手権は。





「他の奴が勝ったらどうすんだよ。Aはそいつと付き合うんだろ？」




『だから、私はっ…』




あーもう。




こんな風に言いたかねぇが、口が勝手に動く。





「お前の気持ちはどうなんだって聞いてんだよ。 お前ら…」





好き同士なんだろ？



言わせんじゃねぇよ。

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