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―――竜―――



Aは「まったく。」と言いながら笑っている。


そして、俺らがなんでこの学園に編入することになったか聞いてきた。




俺は兄貴とその異母兄弟の朱雀奏の事を話し始めた。


「んで、どっちがおやっさんの継承者に相応しいか、王子選手権で競うことになったわけ。」




Aは「ふーん」と言って、何かひっかかるような顔をした。


そして、俺の方に向いて、口を開いた。


『お兄さんの事はわかったけど、なんで竜まで一緒に来たの?』




「俺は…」




兄貴にどこまでもついていく。


これが俺のモットー。




でも編入先がこの学園だと聞いた時、浮かんだのはAの顔だった。




また、会えるかもしれない。




そう思った。




俺、こいつに会いたいって思ってたのか…





うっわ!



はずっ…





A「ん?」と眉を上げてこっちを見ている。





ドキ…




やっべぇ… 顔があちい。







「…べっ、別に、兄貴についてきただけだよ。」




俺はばっと目を背けて、前を見て言った。




やべーやべー。



深呼吸…






『ふーん。てか、お兄さん王子選手権でるの?』









「おー。俺もでるぜ?」





『えっ!?うそぉ!?』




Aは急にデカイ声を出した。




「うぉっ! なんだよびっくりすんな。」




ほんと、なんだこいつ。


テンションの上下やべーな。




『はぁ… 先が思いやられる…』




今度は死にそうな声。



まったく、変なやつ。






「なんでお前がめんどくせー顔してんの?笑」







『…私実はさ、、』





Aがため息交じりに話し始めると、携帯がピコンと鳴る音がした。




Aはポケットからスマホをとりだす。






「あ、ハルさん…」






ハル?






あ、美容師のあいつか…









なんか胸がもやもやすんな。






「どーした?」




『いや…別に…。』







なんだよ。



すっげー気になんじゃん。





Aはすっと、スマホをしまい、俺の方を向いた。




『竜も選手権に出るなら、先に言っとく。私、実行委員なんだよね。』



「え?まじで?」




Aはうん、とため息混じりに、

かったるそうな顔をしてうなずいた。





「そういえば今日の放課後、顔合わせあるって言ってたな。」






『げ。そうだった。』




ふはっ。また変な顔しやがって。




王子選手権か。


こいつがいるなら…少し楽しみかも。

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設定タグ:プリレジェ , 吉野北人 , 川村壱馬   
作品ジャンル:恋愛
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ななし(プロフ) - ゆなさん» 嬉しいです!ありがとうございます!最後まで読んでいただけたら嬉しいです! (2019年12月1日 16時) (レス) id: 6a3e7ad6c9 (このIDを非表示/違反報告)
ゆな - 初めまして、とても素敵な小説ですね。読むのが楽しみです (2019年11月5日 19時) (レス) id: 3d72f20392 (このIDを非表示/違反報告)
ななし(プロフ) - 秋和☆°・.。さん» ありがとうございます!!頑張って完結させますね(*^^*) (2019年8月2日 1時) (レス) id: f172c4d98f (このIDを非表示/違反報告)
秋和☆°・.。(プロフ) - 続編の公開待ってます! (2019年7月21日 2時) (レス) id: fd8f2345ac (このIDを非表示/違反報告)
ななし(プロフ) - 雫さん» ご指摘ありがとうございます!直しますっ! (2019年7月6日 19時) (レス) id: f172c4d98f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ななし | 作成日時:2019年6月27日 4時

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