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―――光輝―――
うわー!
うわー!うわーーー!
Aさんと手をつないでしまったぁー!
理事長室のドアの隙間から会話を盗み聞きしていた俺は、
Aさんが実行委員になったと聞いて、ガッツポーズをしていた。
王子育成プロジェクト。
プリンセスのエスコートのレッスン。
“さぁ、こちらへ。僕のプリンセス。”
“光輝くん…素敵♡”
Aさんとのあれこれを想像していたら、
Aさんが急にドアから飛び出してきて、僕の胸にぶつかった。
慌てて彼女のメガネを拾おうとしたら
めちゃくちゃ可愛い顔が目の前にあるもんだから、
心臓が口から飛び出てるかと思った。
か、可愛すぎる。
メガネをしてないAさんを見たのは入試以来。
あの時のキュンとした気持ちが蘇る。
そしてこれは絶好のチャンス。
Aさんとの壁をなくしたい。
俺は咄嗟に彼女の手を掴んだ。
〜〜
授業なんて耳に入ってこない。
なんとも言えない幸福感と、ドキドキが入り混じり、ニヤニヤが止まらない。
Aさんの方にゆっくりと目線を向ける。
Aさんは、何事もなかったかのように、姿勢よく黒板を見ていた。
早く鳴れ。
チャイムよ、鳴れ。
キーンコーン カーン コーン…
よっしゃ!!
今日こそ会話するチャーーーンス!!
終了のチャイムが鳴り止むと、口を開いた。
「Aさ…」
海司&陸「「光輝ーーー☆!!!」」
俺は後ろから飛びついてくる二人に包まれてしまった。
「わぁ!! なんだよっ!!」
俺の肩を組みながら、海司が耳打ちをする。
「おい、二人でどこ行ってた?」
陸はニヤニヤと俺の顔を見ている。
「おいっ!お前ら何すっ、、 ……。」
陸&海司「あ。」
二人がポカンと口を開けた。
隣を見ると、横切って行くAさんが見える。
陸「・・・。」
海司「・・・・。」
俺「・・・・・。」
肩を組んだまま、俺たちは無言で、ゆっくりと首を教室のドアに動かした。
ガラガラ… パタン。
Aさんが静かに教室を去って行った。
「…お、お、、、お前ら…」
怒りでワナワナ震える。
やっべ!っと二人がスローで俺から離れていった。
「…絶好のチャンスを……。」
陸「わー、すまんっ!」
海司「逃げるぞ、陸っ!」
何してくれてんだぁー!
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ななし(プロフ) - ゆなさん» 嬉しいです!ありがとうございます!最後まで読んでいただけたら嬉しいです! (2019年12月1日 16時) (レス) id: 6a3e7ad6c9 (このIDを非表示/違反報告)
ゆな - 初めまして、とても素敵な小説ですね。読むのが楽しみです (2019年11月5日 19時) (レス) id: 3d72f20392 (このIDを非表示/違反報告)
ななし(プロフ) - 秋和☆°・.。さん» ありがとうございます!!頑張って完結させますね(*^^*) (2019年8月2日 1時) (レス) id: f172c4d98f (このIDを非表示/違反報告)
秋和☆°・.。(プロフ) - 続編の公開待ってます! (2019年7月21日 2時) (レス) id: fd8f2345ac (このIDを非表示/違反報告)
ななし(プロフ) - 雫さん» ご指摘ありがとうございます!直しますっ! (2019年7月6日 19時) (レス) id: f172c4d98f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ななし | 作成日時:2019年6月27日 4時