＊No.1 or 2？《HiGH&LOW THE WORST 》新章

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ーーーAーーー





樹咲「あ？」



樹咲はパッと手を離し、ずり落ちたジャム男を足でおいやる。



ジャム男「Aさん…俺…まだやれるっ…す…」




『…もう十分。』


首を振って、ジャム男の肩を取り、立ち上がる。



樹咲「あ？お涙頂戴か？だるっ…」





ジャム男がこんなになるまで、私は止められなかった。



ジャム男の目が、楓士雄のように真っ直ぐだったから。



樹咲「白旗あげるか？」



そして、ジャム男を廊下に寝かせて、私は教室へ戻った。





『…誰が。』




樹咲「ほう。」




さっきまでのやり方じゃだめだ。


樹咲は強い。




本気で…





…殺す気で行く。









私はふっーと息を吐き、目を瞑った。




そして、こきっと首を鳴らす。







樹咲「お前のその顔、潰してやるよ。」




『…恨みっこなしだかんね。』




樹咲と同時に足を向ける。



私はもう何も考えず、


ただ、本能のままに相手に向かっていった。




膝関節、右手首、延髄、



顎、脇腹、



ものすごい速さで足が動く。


私も相手の攻撃も何発かうけ、自分の血が飛んでいくのがみえる。





でも、樹咲が先に膝をついた。



きたっ…




その瞬間、膝蹴りを顔面に喰らわす。



樹咲が白目を向いて、ロッカーへ思いっきり突っ込んだ。




カラン…と金歯が床に転がる。









はぁ…



はぁ…




もう、まともに息が出来ない。



ポタっと血が、床に血が落ちる。



私は前髪と一緒に、額から垂れる血を拭った。





樹咲「くっ…ひ…」




倒れた樹咲の前に、私は立った。


前歯を失って、瀕死状態の樹咲を見下ろす。





はは。




また、飛ばしちゃったよ。




呼吸が少し落ち着き、私は深呼吸した。



そして、落ちた金歯をもう一度みる。




『…セラミックの方がいいと思うよ。』






仰向けに倒れたままの樹咲にそう言って、


私は身体を引きずるように教室を出た。



ジャム男が勝った私を見て、目を潤ませる。





『ジャム男…かっこよかった。』



ジャム男「Aさ、ん…勝ったんすね…」


ジャム男はもう動けそうもなくて、廊下の壁で休ませる。





ジャム男「いっ…行ってください。俺は、や、休んだら行きますから。楓士雄さんのとこ…いってください。」






他のみんなは…



司…



楓士雄…






『うん。』






なんで歩けてるのかわからない。


でも、あたしの心が先に動く。




楓士雄のところへ。

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