神様のねがいごと(佐野+末澤) ページ32
1/5 (ファンタジー)
昔からつかれやすい。
疲れやすいではなく、"憑かれ"やすい。
小さいモノから大きいモノまで、害の有るモノ無いモノ、いろんなモノに憑かれてきた私だから分かる。
今回のはヤバい。体の重さがいつもの比じゃない。
どうか悪いモノじゃありませんようにと祈りながら、見慣れたインターホンを押した。
「はい、末澤です」
「A」
「開けるわ」
少しすると廊下を歩く音が近付いてきて、木枠の引き戸がガラガラと開いた。
戸から顔だけ出した幼なじみは、私の顔を見るなり大きなため息をついた。
「またかい」
「うん、また。しかもめっちゃ重い」
「……こっち来い」
誠也くんに手を引かれるまま、本堂を横目に講堂の方へと足を運ぶ。
誠也くんのお家は関良寺(かんりょうじ)といって、ソッチの界隈では結構有名なお寺らしい。
小さいながらお正月になると地元の人間じゃない人も多く参拝しに来るのが、その証拠なのだろう。
次男坊の誠也くんはお寺を継ぐ必要はないけれど、能力だけはしっかり受け継いでいたから、昔から私に憑いてきたモノは誠也くんが祓ってくれる。
雑に掴まれた数珠は傷だらけで、その内いくつが私のせいで付いたものか。
きっとたくさんあるはずだけど、誠也くんは文句の一つも、いや一つや二つは………文句はきっちり言いながらも祓ってくれる。
「強いな」
講堂の鍵を開けながら、誠也くんが言った。
「やっぱり？」
「こんなんどこで拾って来んねん」
「拾いたくて拾ってへんもんー」
「はいはい」
憑いてくるモノたちにもちゃんと姿形はあって、大抵が動物の形をしているらしい。
ただ、気合いを入れないと黒いモヤモヤにしか見えないのだとか。
弱いモノならめんどくさがって、正体も確かめずにその場でデコピンして祓ってしまう誠也くんが、わざわざ講堂まで連れて来たということは、それなりのモノなんだろう。
どうか誠也くんが怪我しませんように。
私は心の中で祈った。
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黒雷憂無(プロフ) - コメント失礼します。神様のねがいごとの長編見てみたいです！ (3月10日 1時) (
レス) id: 3082381280 (このIDを非表示/違反報告)
三十谷みそ(プロフ) - シキさん» シキさん、コメントありがとうございます！うわ〜嬉しい！ぜひ長編をお待ちくださいませ！ (2022年12月7日 22時) (レス) id: 0083c24134 (このIDを非表示/違反報告)
シキ(プロフ) - コメント失礼します！神様のねがいごと、めちゃくちゃ続き気になります！よければ長編楽しみにしてます♡ (2022年12月7日 3時) (レス) @page39 id: fa47139e50 (このIDを非表示/違反報告)
三十谷みそ(プロフ) - yuksaさん» yuksaさん、コメントありがとうございます！読みたいと言ってもらえると書きたくなりますね(笑)嬉しいです。続きアップできるようにがんばります。 (2022年12月3日 0時) (レス) id: 0083c24134 (このIDを非表示/違反報告)
yuksa(プロフ) - はじめまして。神様のねがいごとの続き、すごい読みたいです。面白かった！ (2022年12月3日 0時) (レス) id: 1137319ed0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：三十谷みそ | 作成日時：2022年4月6日 23時
