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「Aさん？」
メモを見て固まった私を見て不思議そうな顔をする高橋くん。その手が問題のメモをヒョイと取り上げていく。
「あ！だめ！」
「なんでっすか」
「う、なんででも！」
こういう時にうまい嘘が思いつかない。
高橋くんはメモを見て、おそらく大西くんが書いたところで目の動きを止めた。
あぁぁ、もう顔見れない。
私は思わず目を閉じた。
変な空気になりませんように。変な空気になりませんように。変な空気になりませんように。
３回唱えて目を開けたら、高橋くんが口元を手で隠して赤くなっていた。顔はめちゃくちゃ笑ってるんだけど。
「これ書いたのりゅちぇ？」
「うん」
「ですよね！もーーー〜っ！なんで書くねん！」
そう言って高橋くんは頭を抱えてしまった。
「あはは、さすがに信憑性なさすぎるよねー」
慌ててフォローしたつもりだったのに、高橋くんがより嫌そうな顔でこっちを向いたから焦る。
そして頭から手を下ろしたかと思うと、そのままユラユラ近付いてきて、私の肩に手を置いた。
「めっちゃあるっすよ、しんぴょーせー」
脳みそが追いつかなくて、高橋くんを見上げることしかできない。
何度かまばたきを繰り返した頃に、高橋くんは痺れを切らしてまた口を開いた。
「あーーもーー！Aさんがスタジオ呼ばれる時ってどんな時か知ってます？」
「高橋くんが調子悪い時、じゃないの？」
「ちょっと違う」
「うそ」
「……好きな人を見つめるみたいにって指示出た時っすよ」
「えと、それは、どういう…」
高橋くんの目が、顔が、どんどん近付いてくる。香水の匂いが濃くなってクラクラする。身体中が熱くて沸騰しそうだ。
「目見てください」
もう一度目が合って、高橋くんの顔が撮影の時みたいな柔らかい笑顔になる。
あ。
今から一番伝えたいことを話すんだと分かった。
「俺がAさんを好きってことっす」
.
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黒雷憂無(プロフ) - コメント失礼します。神様のねがいごとの長編見てみたいです！ (3月10日 1時) (
レス) id: 3082381280 (このIDを非表示/違反報告)
三十谷みそ(プロフ) - シキさん» シキさん、コメントありがとうございます！うわ〜嬉しい！ぜひ長編をお待ちくださいませ！ (2022年12月7日 22時) (レス) id: 0083c24134 (このIDを非表示/違反報告)
シキ(プロフ) - コメント失礼します！神様のねがいごと、めちゃくちゃ続き気になります！よければ長編楽しみにしてます♡ (2022年12月7日 3時) (レス) @page39 id: fa47139e50 (このIDを非表示/違反報告)
三十谷みそ(プロフ) - yuksaさん» yuksaさん、コメントありがとうございます！読みたいと言ってもらえると書きたくなりますね(笑)嬉しいです。続きアップできるようにがんばります。 (2022年12月3日 0時) (レス) id: 0083c24134 (このIDを非表示/違反報告)
yuksa(プロフ) - はじめまして。神様のねがいごとの続き、すごい読みたいです。面白かった！ (2022年12月3日 0時) (レス) id: 1137319ed0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：三十谷みそ | 作成日時：2022年4月6日 23時
