アイドルとアイドル Kota.Y

morning ページ10

光とAちゃんが恋仲に発展しそうだから


そんな2人にイラつく
そんな自分に気づかないフリをしていた


今までも似たような気持ちを
何度か感じた気がするけど
これほどの気持ちになったのは初めてだ


きっとあの時からわかってた


Aちゃんがナンパされた時

光が男に向かって行ったのを見て
胸が張り裂けそうになりながら
俺はAちゃんをかくまうだけだった



どうしよう。
光の"お姉ちゃん"なのに
光の"好きな人"なのに



この気持ちのせいで光に八つ当たりまでして…


自己嫌悪に陥りながら
なんとか眠りにつく


眠れたか定かでないまま
起きる時間になる


今日はツアー用の撮影
メンバーでの大切な仕事
光もそのために休ませた



遅れるわけにはいかない


のらない気持ちをなんとか奮い立たせて
準備をする



迎えにきたマネージャーの車には
光と伊野尾が乗っていた



いつものことだからわかっていたけど
2人じゃなくてよかった。

今何を話していいかわからない



乗り込みながら挨拶だけして
光から距離をとって座る

伊野尾は…寝てるのか



光「薮」



「ん？」



光「もう、大丈夫だから」



「…え」



光「俺から連絡しないから」



「…あぁ。わかった」




ホッとする気持ちも
モヤモヤする気持ちもあった



でも
自分が何に安心しているのか
何に悩んでいるのか
全くわからない



こんな俺の気持ちとはウラハラに
仕事は順調に進む



光がいつも通りの笑顔を見せる
俺も負けてはいられない



ここが俺の大切な場所だから
精一杯やるんだ

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