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その頃乱太郎は一番近くに居るであろうきり丸の元へ急いでいた。
さっきの3人と1匹に追い付かれるのも時間の問題ではあるし、何より他の上級生と鉢合わせでもしたらどうしようという不安が襲ってくる。
乱太郎『こんなに早く見つかるとは思わなかった…ヘムヘムが居るから仕方ないかもしれないけど…』
同時刻、真ん中の道に進んだ長次と小平太、三郎と雷蔵の4人はきり丸に詰め寄っている最中だった。
小平太『きり丸、Aは何処だ?』
きり丸『し、知りません』
三郎『きり丸、Aの居場所を聞いて あ げ る』
きり丸『あげる?!…はっ!あっぶねぇ…鉢屋先輩、反則ギリギリッスよ今の』
あの手この手でAの居場所を探ろうとする上級生たち。しかし絶対に答えてなるものかときり丸は両手で口を押さえる。自分が居場所を話してしまった暁には、学園に残っている先輩方になんて言われるか分かったもんじゃない。
小平太『きり丸〜私たち、アルバイトを一緒にする仲じゃないか』
三郎『私だってアルバイトを手伝っているじゃないか〜』
雷蔵『それを言うなら僕だって図書委員会の仲だろう?』
長次『…それなら私もだ』
両者一歩も譲る気ゼロ。きり丸は後退りながら上級生たちと距離を少しずつ取る。そんなきり丸に長次がゆっくりと口を開きながら木の上を指差した。
長次『…あ、A』
きり丸『え?!そんなはずは…だってあっちの木の上に…あ』
長次の言葉に口を押えていた手を離し、慌てた様子で遠くの木の上を指差すきり丸。そしてそこでハッとし、再び慌てて口を押さえたが時既に遅し。冷や汗ダラダラのきり丸を見てニヤリという効果音がつきそうなくらいの笑みを浮かべている上級生。
小平太『でかした、長次!あっちだな!いけいけどんどーん!!』
長次『…もそ』
雷蔵『三郎、僕たちも!』
三郎『あぁ!』
きり丸が指を差した方向の木の上を捜し出す上級生を見て両手の指先をガジガジと噛むきり丸。
乱太郎『きり丸〜!』
そこに息を切らしながら走って来るのは乱太郎。きり丸は乱太郎を見て顔を青ざめさせた。
きり丸『ら、乱太郎〜…ど、どうしよう俺…』
乱太郎『もう見つかっちゃったの?』
きり丸『いや、まだだけど…たぶんもうすぐ…』
三郎『…ん?これは…』
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りっか(プロフ) - 雅さん» 急にお兄ちゃんって呼ばれたらそりゃ赤面しますよねwwwでもあの二人の関係は先輩後輩であり兄弟でもありです!熱血ですもんね!2人して! (2022年11月5日 11時) (レス) id: a1a5c64e20 (このIDを非表示/違反報告)
りっか(プロフ) - 雅さん» 遅くなってすみません!!分かります(笑)何とも言えない気持ちがお腹の辺りをうずうずさせられました(笑)でも留三郎はやっぱ三男だったんだな〜って思いましたね。個人的にはあの面倒見の良さから下にも居るのかな?なんて思っていましたがどうなんだろう🤔 (2022年11月5日 11時) (レス) id: a1a5c64e20 (このIDを非表示/違反報告)
雅 - 浜守一郎さんの恥ずかしい表情と食満先輩がびっくりするぐらいの真っ赤な(?)表情、「可愛かったな…😳」っと思って(笑)※『籠城の記憶の段』のお話より。 (2022年10月22日 19時) (レス) id: 6b30a233dd (このIDを非表示/違反報告)
雅 - りっかさん» りっかさん…確かにヤバかったです…🥶私、恥ずかしいくて死にそうで涙が出てしまいそうですぅ…正直に『お兄ちゃん』って呼ぶのはやめて欲しいです…はい…😭🌀 (2022年10月22日 18時) (レス) id: 6b30a233dd (このIDを非表示/違反報告)
りっか(プロフ) - 忍たま好きさん» 忍たま好き様ありがとうございます(´;ω;`)そう仰って頂けてとても嬉しいです…一日に1行程度しか書けない状況ですが今後ともよろしくお願いします! (2022年10月16日 20時) (レス) id: a1a5c64e20 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りっか | 作成日時:2022年8月21日 8時