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それと同時にきり丸が物凄い形相で坂道を下っていく。
そんなきり丸を止めようと腕を伸ばすAだが、それも虚しく彼女の細い腕をすり抜けてきり丸は坂道を下り、そして途中で足が縺れ上級生達に向かって転がって行った。ボーリングの球みたいに。
勘右衛門『え、ちょっとまさか…』
兵助『そのまさかだよ…!』
文次郎『馬鹿!こっちに来るんじゃない!』
長次『…ぶつかる』
向かって左側を走っていた4人目掛けて見事ストライク。4人ときり丸は派手にぶつかり目を回していた。それを上で見ていたAは「わぉ…」と呟き心の中で「ごめん!」と言うと再び坂道を駆け上がっていく。
留三郎『ははははははは!!ざまぁないな!文次郎!先に行くぞ!』
すると今度はしんベヱの懐にしまっていたお饅頭が1つコロンっと飛び出て転がり始めた。
しんベヱ『あ〜ん!ぼくのお饅頭〜!』
乱太郎『ちょっとしんベヱ!』
乱太郎の制止も虚しく、しんベヱも饅頭を追いかけて坂道を下って行った。そして案の定、足が縺れてきり丸同様ゴロゴロとボーリングの球のように転がっていく。
三郎『おいおいおいおい…冗談だろ?!』
雷蔵『何でこっちに来るんだよ〜!』
留三郎『し、しんベヱ止まれ!』
仙蔵『止まれと言って止まれる奴じゃないことくらい分かるだろうが!!』
向かって右側を走っていた4人に見事ぶつかりストライク。先程同様の結果を目の当たりにしたAはおそるおそる隣で走っている乱太郎を見る。
乱太郎『い、嫌だな〜…いくら私が不運だからってさすがに転がっていくなんてことは…』
苦笑いを浮かべ自分は大丈夫だと言う乱太郎。しかし、次の瞬間空を飛んでいた鳥が咥えていたバナナの皮を地面に落とし、乱太郎がそれを踏んで思いっきり後ろに転ぶ。その反動のまま坂道をゴロゴロと転がって行った。
八左ヱ門『落ちてきたバナナの皮で転ぶってどいう不運なんだよ?!』
ヘムヘム『へムゥ〜!?』
小平太『面白そうだな!私もあれやりたい!』
伊作『そんなこと言ってるバヤイじゃないよ〜!!』
真ん中を走っていた上級生4人に見事ぶつかりストライク。流れるようなお約束にAは言葉が出なかった。今のうちに逃げよう、そう思い走る足を止めようとしないA。
八左ヱ門『…〜っ、ヘムヘム!先輩たちを引き止めておいてくれ!』
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この時代にバナナなんて無かったと思いますが雰囲気で読んで頂けると有難いです(笑)
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りっか(プロフ) - 雅さん» 急にお兄ちゃんって呼ばれたらそりゃ赤面しますよねwwwでもあの二人の関係は先輩後輩であり兄弟でもありです!熱血ですもんね!2人して! (2022年11月5日 11時) (レス) id: a1a5c64e20 (このIDを非表示/違反報告)
りっか(プロフ) - 雅さん» 遅くなってすみません!!分かります(笑)何とも言えない気持ちがお腹の辺りをうずうずさせられました(笑)でも留三郎はやっぱ三男だったんだな〜って思いましたね。個人的にはあの面倒見の良さから下にも居るのかな?なんて思っていましたがどうなんだろう🤔 (2022年11月5日 11時) (レス) id: a1a5c64e20 (このIDを非表示/違反報告)
雅 - 浜守一郎さんの恥ずかしい表情と食満先輩がびっくりするぐらいの真っ赤な(?)表情、「可愛かったな…😳」っと思って(笑)※『籠城の記憶の段』のお話より。 (2022年10月22日 19時) (レス) id: 6b30a233dd (このIDを非表示/違反報告)
雅 - りっかさん» りっかさん…確かにヤバかったです…🥶私、恥ずかしいくて死にそうで涙が出てしまいそうですぅ…正直に『お兄ちゃん』って呼ぶのはやめて欲しいです…はい…😭🌀 (2022年10月22日 18時) (レス) id: 6b30a233dd (このIDを非表示/違反報告)
りっか(プロフ) - 忍たま好きさん» 忍たま好き様ありがとうございます(´;ω;`)そう仰って頂けてとても嬉しいです…一日に1行程度しか書けない状況ですが今後ともよろしくお願いします! (2022年10月16日 20時) (レス) id: a1a5c64e20 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りっか | 作成日時:2022年8月21日 8時