【忍たま】事務員兼何でもお助けピンチヒッター係って何だよ？！その13(夏編)

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大木『ど根性ーー！！』

6年生・A『「っ、？！」』

私の後ろで急に大きな声で叫ぶ大木先生に、驚きのあまり前の畑に転んでしまった。

「なん、は？ど、ど根性？？」

大木『ど根性が足りないから蛙が怖いんだ！』

何それどういう理論？ど根性理論？？
前に、乱きりしんの三人から聞いたことがある。大木先生はど根性が口癖の大胆、豪快、大雑把で人の話を聞かない人だと。なるほど、これが噂の…なんてぼんやりと思っていると大木先生は更に言葉を続ける。

大木『ど根性さえあれば蛙だって触れる！やってみろ！』

そう言うと大木先生は私に一匹の蛙を差し出して来た。手のひらに収まるくらいの小さな茶色い蛙。
蛙を見ただけで鳥肌が立つくらい拒否反応を起こしている私がど根性なんかで触れたら苦労しないっての！！！！
…いや、でも案外勢いで触れたりするかもしれない。触れたら案外大丈夫だったってこともあるかもしれない。案外ね、ほら案外よ。案外、案外…案外のゲシュタルト崩壊が…。

「ど…ど、どどど根性ーー！！」

そう叫びながら人差し指で蛙の背中に触れる。
全神経が人差し指に集中していたせいか何とも言えないふにゃりとした柔らかい感触と、生暖かい生きている物の温度を感じた。

「ひ、みっ、に"ゃああぁああぁぁぁああ！！！！」

その瞬間、人差し指から全身にかけて悪寒が走ると私は三度目の奇声をあげ飛び跳ねた後、大木先生から一番離れている長次くんの背中にピッタリとくっつき隠れる。

「無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理」

無理、と早口で何度も呟きながら首を横にブンブン振る。
無理以外の言葉が出てこないくらい無理。でも初めて触れたよ？！そこは褒めて欲しいよ？！？！！！

6年生『ぶ、く…ぶふっ…(何で猫みたいな叫び方をするんだ…)』

大木『A〜あと少しだったじゃないか。もう少しのど根性で蛙も好きになるはずだ。もう一度やってみろ』

「ひょ？！お、大木先生の鬼！悪魔！最低！来ないで！それ以上近寄ったら石投げますから！！」

もう少しのど根性って何だよ！！

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