【忍たま】事務員兼何でもお助けピンチヒッター係って何だよ？！その13(夏編)

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大木『A、これも食え！今年のトマトは色付きが良くて甘くて美味いぞ〜』

隣に座る大木先生から差し出された真っ赤に熟れたトマト。実がぎゅっと詰まっているのが目に見えて分かるくらいパンパンに皮が張っている。贅沢に丸ごと一個を齧った。

「わっ！本当ですね！綺麗な赤色…ん〜！あっま！何これ本当にトマトですか？！」

あまりの甘さにフルーツを連想させる。ミニトマトなら甘いものが多い印象だけど、こんなに大きくて甘いものは初めてだ。驚きのあまり声を張ってしまう。

大木『今までで一番いい出来だ。トマトも持って帰るか？好きなだけちぎって行くといい』

「良いんですか？嬉しいです！ありがとうございます！」

これは食堂のおばちゃんも喜ぶぞ〜なんて思っていると大木先生が胡座をかいている膝の上に肘をつき私を見つめる。

大木『それにしてもAは美味そうに飯を食うな〜。見てて飽きん』

八重歯を覗かせながらニッと笑う大木先生はとても嬉しそうだ。私も作る側に立つことがあるので大木先生の気持ちが手に取るように分かる。

「大木先生の作るお野菜とお料理がとても美味しいからですよ」

大木『ガハハ！嬉しいことを言ってくれるじゃないか〜それなら毎日でも食べに来ていいぞ。なんなら一緒に住むか？』

6年生『それだけは駄目です！』

大木先生が冗談で言ったことに対して声を揃えたのは6年生。その様子を見た大木先生は豪快に笑っていた。

大木『相変わらず仲が良くて結構、結構！』

相変わらず、という事は昔からこんな感じなのかな。6年生の1年生の時ってどんなだったんだろう。気になるなぁ…聞いてもいいかなぁ…聞いちゃえ。

「あの、大木先生、みんなが低学年の時ってどんな感じだったんですか？」

文次郎『おい、A…昔のことは聞かなくても良いじゃないか…』

「えーだってみんなの昔を知る良い機会だもん。少しだけ良いでしょ？」

私が大木先生に尋ねると、彼は腕を組み少し考える素振りを見せたあと口を開いた。

大木『今と大して変わらないと思うが…あーそうだ、お前たちもうお化けは怖くなくなったか？』

6年生『ブフッ！！』

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