【忍たま】事務員兼何でもお助けピンチヒッター係って何だよ？！その11(夏編)

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「あの…お名前教えて頂けませんか？」

未だに独り言を呟いている彼に痺れを切らし自己紹介を催促する。
すると彼は少し面倒臭そうに軽く息を吐きながら口を開いた。

鹿之介『あぁ…出茂鹿之介だ。ま、僕の方が年上だろうから何でも聞いてくれ』

相変わらずの態度に目尻がピクリと動く。
怒るな怒るな。いつもの事じゃないか年下に見られることなんて。でもなんでこの人に言われるとこんなに腹が立つんだろう。

「…失礼ですけど、おいくつで？」

鹿之介『18だ』

「私も18ですから同い年ですね。ですので、遠慮はしないことにします。よろしくね、デモシカくん」

鹿之介『出茂 鹿之介だ！』

「まぁ、なんでもいいから事務の服に着替えて。着替え終わったら声かけてね。そんじゃ」

鹿之介『あ、おい…！』

向こうも私を雑に扱って来たのでこっちも同じようにしても何ら問題ないよね。
そう思うと事務と書かれた忍び装束を彼に手渡してそそくさと事務室から出る。
そして声を掛けられるまで廊下の壁にもたれ掛かり着替え終わるのを待っていた。
ていうかさぁ、利吉くんとも同い年ってこと？…なんてこった、この世は理不尽ですなぁ。
なんて思っていると事務室の扉が開いた。

鹿之介『着替え終わったぞ、A』

わぉ、呼び捨て。同い年だから別にいいけど〜。

「じゃあ、今日の事務の仕事の分担をしよう。出茂くんは何度か事務の仕事したことあるの？」

鹿之介『まぁ、な。事務と言っても雑用ばかりだろ？この僕にできないことはない』

雑用…確かに雑用が多いかもしれないけど、事務員でも何でもない彼に言われたくない。
だがしかしここで怒りを露わにするのは良くない。
深く息を吐き心を落ち着かせる。

「…あっそ。じゃ、書類の整理と備品の点検と補充からお願い。それが終わったら今度は塀の落書き消してもらってもいい？たぶんこれだけで午前中終わるから。早めに終わったら声かけて。私は外の掃除してくるからさ」

鹿之介『…お前、僕の扱い雑じゃないか？』

彼の言葉に口元をピクリとさせると、舌をベッと出しながらその場を去る。

「その台詞そっくりそのままお返しします〜。そんじゃ、よろしくね〜」

鹿之介『…可愛い顔しているのに中身は残念だな』

「聞こえてますけど？！」

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