【忍たま】事務員兼何でもお助けピンチヒッター係って何だよ？！その11(夏編)

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与四郎『(大切にされてんのはその人だけじゃなさそうだぁな)』

「ささっ、みんな食べちゃおっ！お茶も冷めないうちにね〜」

しんベヱ『やっと食べれる〜！』

各々が食べたいお茶菓子に手を伸ばす中、私は何にしようか腕を組んで悩んでいた。
羊羹、大福、饅頭…あー、どうしたもんか。全部食べたいけど、さすがに太りそうだし食い意地張ってるとか思われたくないし…よし、きんつばにしよう。

きんつばを手に取るとお行儀が悪いかもしれないが口いっぱいに頬張る。
優しい餡子の甘みが口いっぱいに広がり、美味しいの一言で済ませたら申し訳ないくらいとっても美味しい。
自分の語彙力の無さに腹が立つな。

留三郎『相変わらず、Aとしんベヱは美味そうに食べるな』

与四郎『んだなぁ。こっちまで幸せな気持ちになんべ』

「…あの、そんなに見られると恥ずかしいんだけど」

まるで幼子を見るような父親の表情で私としんベヱくんを見る留三郎くんと与四郎。同じ顔をした二人に優しい眼差しで見つめられると照れてしまう。しかも二人して顔が良いからな〜ずるいよな〜。

喜三太『与四郎先輩、風魔のみんなは元気にしてますかぁ？』

与四郎『そりゃもうみんな元気だぁさ。リリーさんが喜三太に会いたがってたべ』

喜三太『リリーばあちゃんが？僕も会いたいなぁ』

空を仰いで懐かしそうにする喜三太くんの横顔に何だか切なくなった。そりゃ、まだ10歳だもんね。おばあちゃんに甘えたい年頃だろう。それにしてもリリーなんて凄い現代の名前みたいなお祖母様だな。

与四郎『本当は今日、山野金太先生と古沢仁之進も一緒に来るはずだったんだけどよ、別の用事が出来たとかなんかで来れなくなってオラだけで来たんだべ』

喜三太『そうなんですね〜。夏休みには相模に帰るつもりなので会えるのを楽しみにしていると伝えておいてくださ〜い』

与四郎『おぅよ。みんな喜ぶべ』

与四郎と喜三太くんを見ていると兄弟に見えてきて微笑ましい。すると、何を思ったのか喜三太くんが私の方を振り向きにっこりと笑いながら私の手を取る。
不思議に思い首を傾げていると、今度は与四郎の手を取り嬉しそうにへらっと笑った。

喜三太『お兄ちゃんとお姉ちゃんが居るみたいで僕は幸せ者だなぁ』

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