【忍たま】事務員兼何でもお助けピンチヒッター係って何だよ？！その11(夏編)

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「伊作くん、二人にしてくれない？」

伊作『…分かった。でも、無理は禁物だよ』

伊作くんは私が何を思って二人きりになりたいと言ったのか分かっているようで、緩く笑みを浮かべてそのまま医務室を後にした。

「出茂くん、悪いんだけど手を貸してくれる？」

鹿之介『怪我人は大人しく寝ていろ』

「…寝たままだと嫌なの。早く」

鹿之介『…あとで一緒に怒られるのはごめんだからな』

そう言いながら出茂くんは私の手を優しく取ると起き上がるのを手伝ってくれる。
さっきまで私に馬乗りになっていた人と同一人物かってくらい。
頭がズキズキと痛むがなんとか上半身を起こすと出茂くんを真っ直ぐと見つめた。

「出茂くん、助けてくれてありがとう。それから…いろいろとごめんね」

鹿之介『ふん。ようやく謝る気になったか…ま、許してやっても構わないけど』

相変わらず偉そうだけど、出茂くんは本当のところは優しいんだと思う。私はそう感じた。

鹿之介『それにしても、お前は無茶をすると言われないか？苦無を素手で握る馬鹿は後にも先にもお前しかいないぞ』

出茂くんは私の握っている手を見て顔を顰める。
そこで私はそう言えば苦無を掴んだな、と思い出した。そして思い出すと傷口が痛み出す。

「忘れてたのになんで言うの〜…痛くなってきたじゃん」

鹿之介『逆に忘れてたのかよ！…ったく、それにその顔も殴られたんだろ。せっかくの…いや、なんでもない』

途中で言葉を止めた彼に首を傾げる。
そう言えば頬も殴られたな…腫れているのか知らないけれど殴られた方の頬の感覚があんまりない。
あーあ…また無茶をしたって仙蔵くんに怒られちゃいそう。

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