【忍たま】事務員兼何でもお助けピンチヒッター係って何だよ？！その11(夏編)

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※暴力、流血表現出ます。




「あー…私、さいっていなことした」

事務室に入り、机に突っ伏すとクソデカ溜め息を吐き出す。
先程のことを思い出して独り言を呟いた。
先入観があったとはいえ、勝手に彼を嫌な奴だと思い込んで接していたということは否めない。
いや、まぁ、先入観がなくても嫌な奴だとは思ったかもしれないけれど、最初からあんな態度を取っていたら彼も嫌な気しかしなかっただろうし。私にも非はある。
でも小松田さんの悪口を言われたことに関しては本当に許せない。

「…ちゃんと話そう。そして謝ろう」

一人でモヤモヤするよりちゃんと話し合って解決しよう。
このままだと周りにまで迷惑が掛かってしまう。小松田さんが善意で出茂くんを助っ人に呼んでくれたんだし、何よりこんな子供みたいな喧嘩やめなくちゃ。

？『…事務室はここのようだな』

「え…」

机から顔を上げて、ゆっくりと立ち上がろうとしたと同時に事務室の扉が開き現れたのは柴色の忍び装束を見に纏った男。…侵入者だ！

「しんにゅ、っ、んぐ！」

侵入者、と声を上げようとする前にその忍者が私の背後に素早く回り込み片手で口を塞がれ、首元に苦無を突き付けられた。
一瞬の出来事に何も反応が出来なかった。少しでも動くと苦無が首元に食い込みそうで身動きが取れない。
毛穴中から冷や汗が出てくる感覚がする。背中がひんやりとするこの感じが酷く気持ち悪い。

侵入者『声を出すな、大人しくしていれば危害は加えない』

私の耳元で囁く侵入者の言葉に頷くことも出来ない。
何で侵入者が…もしかして小松田さんが居ないから？！
でもでも先生方も上級生もいるのに何で何で…しまった、今日は5年生も4年生も課外実習に行ってて学園に居ないんだ！しかも今日に限って先生方も出張やら何やらで学園に居ないし！6年生はさっきのゴタゴタで侵入者に気付かなかったのかも…なんてこった！！絶体絶命じゃないか！！

侵入者『事務室には忍術学園の機密文書なんかもあるんだろ？全て出せ』

首を横に振りたいところだが、動いたら首に苦無が当たりそうなので片手を上げて手首を横に振る。
出せって言われて素直に出すもんか！私だって忍術学園の一員なんだ。絶体絶命だからって機密文書を出して忍術学園を売ったりしないんだから！

11-16→←11-14(2023/02/18訂正)

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