【忍たま】事務員兼何でもお助けピンチヒッター係って何だよ？！その11(夏編)

11-14(2023/02/18訂正) ページ15

小平太『…Aがあんなに怒っているのを見たのは初めてだな。私にもあそこまではないぞ』

文次郎『相当頭にキているんだろ。まぁ、事情が事情だから仕方ないとは思うが』

伊作『そうかもしれないけど、いつまでもあんな感じだと健康にも良くないし…心配だなぁ』

留三郎『心配するところそこかよ…ま、伊作らしいけどな』

Aが去ったあと、6年生の彼らは彼女の心配をしていた。普段は温厚で誰にでも優しい彼女がここまで怒りを露にするのは大変珍しいことである。
しかも馬乗りになられてもそれに抵抗しようとしていたくらいだ。

長次『…謝った方が身の為だと思います』

鹿之介『は？僕が謝る？あいつに？冗談だろ』

長次から言われたことに、『はっ』と言葉を吐き出す鹿之介は悪びれた様子が全く感じられない。
そんな彼を見て仙蔵がピクリと眉を動かし淡々と喋り始める。

仙蔵『Aはおそらくこのことを吉野先生に伝えるでしょう。そうすれば自ずと学園長先生の耳にも入ります。そうですね…最悪の場合出禁になるでしょう。まぁ、私たちはそれでいいと思っていますので異論はありませんが』

鹿之介『でっ？！あ、あの女の言葉にそんな力は無いだろ！』

仙蔵の言葉にギョッとした表情を浮かべる鹿之介。
彼女にそんな権限も力もないと言い張る。確かにその通りだ。いち事務員の彼女にはそんな力はない。
しかし今や彼女はこの学園に居なくてはならない存在だ。

長次『…彼女はこの学園の大切な事務員です。その彼女がここまで怒っているとなれば出禁なんて優しいものだと思います』

長次がそこまで言うと鹿之介はグッと押し黙る。
そしてゆっくりと歩き出し、彼女が向かって行った方向へと進み出した。
その後ろ姿を黙って見つめる6年生。

伊作『…少しは分かってくれたかな』

留三郎『どうだろうな。ま、でも追いかけて行ったってことは少しは反省したんじゃないのか？』

長次『…あとはA次第』

小平太『細かいことを気にしても仕方がない。Aなら大丈夫だ！』

文次郎『何かあったら助けに行けばいい。…何事もないと思うがな』

仙蔵『ついて行きたいところだが、あとは見守ろう』

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