巡る時間の中で (ページ18)

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『待たせちゃってごめんね』

隼「ぜーんぜん」

龍友「卒業おめでとう」

『ありがとう！
そういやなんでここに』

龍友「ん？大事な大事な弟と妹のお祝いやな(笑)」

『なにそれ(笑)』

隼「まぁまぁ、とりあえず龍友くん！
写真撮って！」

隼くんの言葉で撮影会が始まりました(笑)

何十枚も撮って

『また送ってね、それ』

隼「大量に送っとく！」

3人で写真を見て話していたら

何やら龍友くんがカバンをゴソゴソし始めて、

封筒を出してきた。

龍友「これ、預かりもん」

開けて、と言われたので恐る恐る開けてみると、

手紙が入っていた。

龍友「俺が卒業式行くゆーたらこれ渡しといてって預かってきたんや。ほんま人使い荒いんや(笑)」

手紙を読んでみる。

"Aへ"

卒業おめでとう。
この手紙を読んでくれてありがとう。
Aと別れる時に何も言えなかったからここに書くね。
俺、Aのために何ができてる支えてるって勝手に思ってた。だけどAが居なくなって思ったんだ。
俺、何も出来てなかったんだって。
大切なものは失ってから気づくって言うじゃん？まさにそれだったよ、大切な人の大切さ。
もうAは俺のこと忘れてしまったかもしれない、だけど俺は今でも好きだよ。お互い心にケジメをつけて落ち着いたらまた会いたいな、なんて。
A、卒業おめでとう。

俺がAに書く手紙はこれが最初で最後かな？(笑)

大好きだよ、A

"亜嵐より"

『…ｸﾞｽｯ』

何も出来ていなかったなんてそんなんじゃない、

私が何も出来ていなかっただけ、亜嵐くんには支え続けられた。

卑怯だよ、もう１年が経とうとしてたのに今でも大好きだなんて…

私も大好きに決まってるよ。

私あれから何も忘れられてない、あの時もらったキーホルダーもまだ携帯につけてる。

本当に亜嵐くんとお別れをしてしまったんだって思わされる日々だった。

でも、亜嵐くんはこうやってまた色をつけてくれた。

『亜嵐､くん…』

龍友「亜嵐くんがな、泣いとったら言ってほしいって言っとったわ」

龍友「また迎えに行くから泣かないで待ってて
って」

その言葉がずっと頭の中で回ってて、

涙が止まらなくなって

私も一歩進まなきゃって思った。