巡る時間の中で (ページ17)

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亜嵐くんに別れを告げてから亜嵐くんと出会う前のこじんまりとした生活を送り続けてついに高校の卒業式がきた。

学校へ行くと周りはみんなお友達やらカップルで

「もう卒業だね～」って会話をしている。

でも私はそんな会話をする相手もいなくって…

1人で教室で窓の外を見て今まであった高校生活の日々を振り返っていた。

でもいざ思い出すと亜嵐くんのことしか浮かばなくって

あぁ、私まだ引きづっているんだって。

「Aちゃ～ん！！」

廊下から大声で叫ぶ隼くんの声が嫌という程耳に入ってきて

ドアの方を見ると隼くんの姿があった。

『隼くん？！』

隼くんのそばまで行ってみる。

隼「Aちゃん、卒業おめでと」

『ありがとう？(笑)
隼くんもね』

隼「今日で終わりだね、」

『そうだね。』

隼「俺の連絡先は消さないでよ？(笑)」

『消すわけないよ(笑)』

ｷｰﾝｺｰﾝｶｰﾝｺｰﾝ

隼「んじゃ。また式終わったら会お」

隼くんはそう言って自分のクラスへ戻っていった。

そのあと先生が来て出席確認があってみんなで整列をして体育館へ入場した。

みんなお母さんやお父さんが来てる中、

私の両親は海外へ転勤で高校に入ってからずっと一人暮らし。

だから今日は両親ではなく、おばあちゃんとおじいちゃんが来ている。

私が入場した時、おばあちゃんは泣きながら私の方を見てた。

おじいちゃんも笑顔でむかえてくれた。

2人以外にも少し来てくれるかな？って期待してたけど、私が求めている姿はなくって。

でも、周りとは違う雰囲気の人が一人、目に入った。

『龍友くん…』

私は呼んだ覚えもない、だから多分隼くんを見に来たのかな？

多分亜嵐くんがいたら私は卒業式どころじゃなかったと思う。

青春の学生時代、色んな色に染めてくれた亜嵐くんが、

最後にまた色をつけてくれたら嬉しかったなぁ、なんて言えない。

せめて「卒業おめでとう」って言葉を聞きたかったなぁ、っていうまた私のわがままも

届かないまま卒業式は終わっていったんだ。

式が終わって先生ともお別れをして

校庭へ隼くんと龍友くんに会いに行った。

涙をふいて

笑顔で

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