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66.お泊りの約束 ページ34
お母さんが泣きじゃくる私の隣にそっと腰掛けた。
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母「っ…お母さん…って、呼んでくれるんだね…」
ふわっと笑ったお母さんが、泣き続ける私を抱き寄せて私の背中を擦ってくれる。
「…お母さんっ…私…っ、」
泣きすぎて言葉が出てこない私の頭をそっと優しく…でも、力強くお母さんは抱き寄せた。
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母「うん、うん。……A、あのね…？」
少し言い難そうに話し出すお母さんの声に、泣き続ける私は必死に耳を澄ます。
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母「…もし、Aが良かったらなんだけど。お母さんと、…もう一度一緒に暮らしてくれないかな？」
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「……ぇ、？」
母「Aが良かったらなんだけど…」
もう一度…お母さんと？
……でも…。
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「…今は、大野さんがいるから……」
急にそんな事言われても…私には今の暮らしがある。
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母「…、そう、よね…。今更よねっ…！
……変な事言ってごめんね…？(笑)」
あははと乾いた笑いで申し訳無さそうに私から離れた。
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「っでも、泊まるくらいなら…」
母「っ…！ほんと？！」
さっきまで落ち込んでたお母さんが、パッと明るい笑顔を私に向けた。
「…うん」
母「じゃあ今度の金曜日はどう？」
学校帰りにそのまま行ったら大丈夫かな…。
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「…わかった！」
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作者名：な り き | 作成日時：2017年8月7日 14時
