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61.現れるはずのない人 ページ29
……、あれ…？
一向にキスされなくて、そっと目を開けると
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翔「ふっ…(笑)バカ、しねぇよ(笑)」
悪い顔…でも優しく笑う翔くんと目が合った。
っ…またこの顔…。
私は昔から翔くんのこの顔に弱い。
スッ…と手を離されて、急いで翔くんとの距離を取る。
翔「何その顔。してほしかったら全然するけどね？」
また翔くんの手が伸びてきたから、そうはさせるかとパシッとその手を払い除ける。
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「…っ、ばか…。からかわないで…」
騙された自分が恥ずかしくて泣きそうになって、もう帰ろうとベンチから立ち上がったら…また翔くんが私の腕を掴んだ。
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「っ…もぅ、何っ！？」
翔「からかってねぇよ」
「…嘘だ、っ…もう離してよっ！」
掴まれてた腕を思い切り振り解いて
走って公園の外に向かう。
翔「っ…おいA！」
後ろから翔くんの叫ぶ声と、追いかけてくる翔くんの足音。
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智「…Aちゃん……？」
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そこでは聞こえるはずの無い声がして、木の屋根の中にある木の椅子と机の休憩場所に居たのは…
「…大野、さん……」
と
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……、なんで………？
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作者名：な り き | 作成日時：2017年8月7日 14時
