49.大野さんの癖 ページ17
「っ…、」
咄嗟に握られた手から熱が伝わる。
わっ…私の手汗がっ……！！
.
智「血出てるじゃんっ…、とりあえず絆創膏！」
そんな私の手汗なんかお構い無しに絆創膏を取りに行ってくれた。
っ…ビックリしたぁ……。
急に手とか…握ってくるから…。
.
なぜかドキドキしてる私のもとに、絆創膏を持った大野さんが戻ってきた。
智「手貸して」
そう言われれば手を出さないわけにもいかず、そっと手を前に差し出す。
絆創膏をペリッと剥がして、切った人差し指にそっと触れた。
「っ、」
智「ごめん、痛かった？」
ビクってした私を心配してくれる。
……ビクってなったのは、大野さんの手が触れたから。
.
.
私の指に絆創膏を貼る大野さんをチラッと上目遣いで盗み見る。
その顔は真剣で、むぅっと口を尖らせてる。
…大野さんって集中してる時、口尖るよね。
大野さんの真剣な顔を見たら、視線を落として
私の指に絆創膏を貼る綺麗な大野さんの手を見る。
……綺麗な手だなぁ。
浮き出る血管とか、細いけどちゃんと男の人の指してるとか…なんか凄い…好き。
.
大野さんの真剣な顔をジーッと見てたら、貼り終わった大野さんが私の顔を見た。
「っ、」
必然的にバッチリ合う目。
…っ、ジッと見てたのバレた…？！
智「…、何？(笑)」
「っ…や、なんでも無いです…」
恥ずかしくて誤魔化す私を笑って見てた大野さんの表情が、ふっと戻る。
.
智「……Aちゃん敬語やめない？」
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作者名：な り き | 作成日時：2017年8月7日 14時
