48.２人で並ぶ台所 ページ16
元気の無い大野さんを見るのが多分、あの時以来で…。凄く心配だ。
また何かあったんじゃないかって…。
大野さんは１人で溜め込んじゃう癖がある。
だから、私が気付いてあげないと。
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そんな事を考えながら家で大野さんの帰りを待っていたら、ガチャッと玄関の扉が開く音が聞こえた。
リビングのドアが開かれて、元気の無い大野さんの側に駆け寄る。
「大野さん、お帰りなさい」
智「…ただいま(笑)」
ちょっと間があったけど、ニコッといつもの笑顔で笑ってくれた。
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智「ごめんね！すぐご飯の準備するから！」
そう言って台所に向かった大野さんのあとを追う。
「私も、一緒に手伝ってもいい…？」
最近お手伝い出来てなかったから、ちょっと恥ずかしげに言ってみる。
そしたら大野さんはビックリしたのか、少し動きが止まった。
智「…あぁ、うん。…じゃあ手伝ってもらおっかな(笑)」
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久しぶりに２人で並ぶ台所。
なんだかちょっと緊張する…。
智「じゃあ玉ねぎ切ってもらおっかな」
私の変な緊張をよそに、淡々と今日の夕飯の準備をしだす大野さん。
今日のメニューは、ハンバーグ。
玉ねぎを切ってたら案の定、目が痛くなってきて目に涙が浮かぶ。
腕で目を擦りながらも溢れてくる涙。
そのまま玉ねぎを切っていたら、涙で手元がうまく見えず指を切ってしまった。
「っ、痛っ…」
智「ちょ、大丈夫…？！」
私の隣でミンチを取り出して準備をしていた大野さんが私の手を咄嗟に握った。
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作者名：な り き | 作成日時：2017年8月7日 14時
