28.不思議なオーラ ページ28
「…っ、ん…」
起きると、おでこと首がひんやり冷たい……。
今私は布団の中だということに気付いた。
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…なんで、…私。
何があったかを一生懸命思い出そうとしていると
部屋のドアが開いて、いつの間にか帰ってきていた大野さんの手には何らやいろんな物が持たれている。
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智「あ、目覚めた？大丈夫？」
その言葉で、自分が倒れたことを思い出す。
智「家帰ってきたらAちゃん倒れててめっちゃ焦った(笑)」
" でも無事そうで良かった… "
私に話し掛けながら冷ペタやら、水やら、首を冷やすものを準備している。
その様子を見ているとパッと
目についた、左腕の包帯。
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「…その腕、どうしたんですか」
明らかに朝はそんな事になってなかった。
…仕事で？
でも学童でそんな事になるの？
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智「あ、これね。ちょっと火傷しちゃって」
…、火傷。
包帯で巻かれている腕を見る目が少し悲しそう。
それに、時々頭を痛そうに抱えてる。
「…頭、痛いんですか？」
そしたら、大野さんお得意のあのほわっとした笑顔
…じゃなくて。
不意に見る、あの切なそうな悲しそうな表情でまた笑う。
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智「いや、大丈夫。こんな痛さ屁でも無いよ」
てことは、ちょっとは痛いんじゃん。
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前のアノ話から、私は少し大野さんが不思議に見える。
笑ってるけど、瞳の奥が泣きそうで。
でも、芯はしっかりしていて。
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だから時々、心配になる。
何を考えてるか分からないから心配になるってゆーのもあるけど。
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ふとその悲しそうな笑顔を見ると、
大野さんが消えてしまいそうだと感じる時がある。
まるで
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寂しさを押し殺してる子供のような。
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作者名：な り き | 作成日時：2017年8月7日 1時
