26.似た者同士 ページ26
初めて見た。
真剣で、でもちょっと恥ずかしそうな愛ちゃんの表情。
母「やだ、この子ったら(笑)」
智「…あ、や…え…っと…」
冗談なのか。…それとも本気なのか。
てかそれ、親父さんが言ってた言葉だよね？
あれは俺を怒らせる為に言っただけであって…
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愛「ふふっ(笑)…先生！私頑張ってイイ女になるね！」
そう一言言い終わると
お母さんの手を引いて歩いていく。
お母さんがチラッと俺のほうを向いて
深々とお辞儀をした。
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速水「見ーちゃったぁ、見ーちゃったぁ♪」
愛ちゃんと愛ちゃんママをその場で見送っていたら、反対側の廊下の角から航生と由美さんが覗いていた。
智「…なんだよ」
速水「いけないなぁ。生徒に手出すなんてー」
口に手を当ててわざとらしく笑う。
智「うるせぇな…、んな事しねぇわ」
由美「大野さんはほんと、女性キラーですね」
智「由美さんまで…」
由美「無意識に女性のハートを撃ち抜いちゃうところが罪なんですよ？」
そう言いながら、俺の腕にピッタリくっついてくる。
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智「っあ、俺待たせてる人いるんで帰ります！」
俺の腕に巻き付いてる由美さんを剥がし
足速に廊下を歩き、家に向かった。
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由美「あっ、ちょっと！大野さん！」
由美「…てか待たせてる人って誰よ？！」
まさか彼女とかっ？！
１人でハラハラしている由美さんをよそに
俺は煙草を持って喫煙所を探していた。
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由美「速水っ！あんた大野さんと一緒に住んでる人知ってる？！」
なんであんたがイライラしてんの…。
速水「あー、それね。多分女の子。小学５年生の」
由美「えっ…て事は、やっぱり大野さんって…」
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良からぬことを想像してんのはだいたい分かる。
速水「ロリコンじゃねーよ。あいつはただ、悲しい思いをしてる子を助けてやりたいだけだよ」
由美「…それは、私達も同じでしょ？」
速水「そうだけど。あいつが１番悲しい思いをしてる子達の気持ちを理解してやれるんだよ」
由美「…何それ、どうゆう意味よ」
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速水「っはぁ…だから、自分と似た境遇の子は放っとけねぇだろって話だよ」
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作者名：な り き | 作成日時：2017年8月7日 1時
