21.豹変 ページ21
すると、眉間にシワを寄せ、
俺の肩をトンと押す。
父「帰ってくれますか？ほんと今忙しいので」
そう言って家に戻ろうとドアを開けると同時に
ガッ…とドアに手をやる。
.
父「…離してくれますか？」
智「まだ話は終わってません」
はぁ…と溜め息をついて、
家のドアをグッと閉めようとするのを必死に止める。
父「…そんなにしつこいと警察呼びますよ」
智「警察呼ぶんなら、話した後にしてもらっていいですか」
ジッとお父さんを見る。
すると、うぜぇ…と言ったあと
.
智「う"っ…、」
腹を思いっ切り蹴られた。
.
家の中から " 先生っ…！ "
と叫ぶ愛ちゃんの声。
父「…しつけぇな。とっとと帰れ」
ドアを閉められたら終わりだ。
俺は必死にドアにしがみつく。
.
閉められると思ったドアが次の瞬間
バンッと開いて
お父さんが俺の腕を思いっ切り引っ張って
家の中に引き入れる。
パッと腕を離され、
ドンと廊下の床に放おられた。
" 先生っ！ "
と叫びながら走って来て、俺を起き上がらせようとする愛ちゃん。
.
父「さっさと帰ってれば良かったのに…」
不気味にボソッと呟くと、
ゆっくり俺に近付いてくる。
智「…あなた、何してるか分かってるんですか」
睨みつけながらそう言うと
俺の前まで来てしゃがみこむ。
そして俺の髪の毛をグッと掴んだ。
.
父「ロリコンせんせー。…たかが学童の先生が何カッコつけてんだよ」
ガッと掴んでいた俺の髪の毛を離して
俺に寄り添ってる愛ちゃんに目を移す。
愛「っ、…」
愛ちゃんがガタガタと震えだす。
自分のお父さんを見る目が、
完全に恐怖で怯えきっていた。
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作者名：な り き | 作成日時：2017年8月7日 1時
