そばに居るから。 2 (ページ5)

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side玲於

キッチンから聞こえてくるガヤガヤした声。

それが聞きたいわけじゃないんだけど、俺も隼も何も喋らないせいで、ドア越しでも声がうるさいくらいに聞こえてくる。

何も喋らない。

だけど涼太くんと手を繋いで、反対の手は隼に触れる。それは隼も同じだった。

涼太くんを守れなかった。

涼太くんの苦しみに気付いてあげられなかった。

そして気付いた今も、何もしてあげられない。

ただ泣き喚いて、なだめられて。

だけどお兄ちゃん達4人は、いつも通りの2人でいいんだよ。って言う。

玲「なぁ隼。いつも通りって、なんだろな」

俺らのいつも通りって、一体どんなことだろう。

いつも俺らは、何をしているんだろう。

隼「それ俺も思った。今までと変わらなかったら、俺らいつまで経っても涼太くんのこと守れない」

玲「だよな、」

そしてまた、静寂が訪れた。

いつも通りなんて、わからない。

いつも通りなんて、そんなのは嫌だ。

俺らにだって出来ることはあるはず。

だけどその答えは、やっぱり分からなかった。

コンコン

ガチャ…

裕「もうそろそろご飯できるで」

そう言って涼太くんに声をかけるためか、1歩部屋の中へ足を踏み入れた裕太くんだったんだけど。

何故か急に足を止めて、俺らを見て言った。

裕「そうゆうことやから。涼太くんのこと、頼んだで」

玲「う、うん！」

隼「お、っけい！」

予想外の言葉に、思わず言葉が出てこなかった。

俺らの心を読んだかのようなその一言。

裕太くんが部屋から出たあと、隼と目が合って。
どちらからともなく、笑った。

玲「涼太くん、起きて！」

隼「ご飯だよー！ねぇー！」

なかなか起きない涼太くんを2人で無理やり起こす。

涼「ん、はよ、」

玲「よし、起きた！下いくよー！」

隼「待って、俺もだって！」

眠そうに目を擦る涼太くんの手を取って、その反対の手を隼が握る。

涼「ご飯、なんなんだろうね」

そう言って笑う涼太くん。

それだけで幸せなんだ。

隼を見ると、なんだろうねー。って話に乗ってニコニコしていた。