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#47 ページ47

side龍友

龍「りょーた」

手を握りながら優しく声をかける。

だけど何も言わない。静かにただ前だけをじっと見つめている。


仕事が嫌だとか、行きたくないだとか言わない。どこを見ているのかわからない状態。


龍「大丈夫やで。みんなおるからなぁ」

何も言わない涼太は、頷きもしなかった。


そんなまま現場に到着してしまって、少しの不安を抱えたまま楽屋に入った。


龍「りょーたの荷物、ここ置くで?僕の隣な」

何も答えてくれないけど、それでもめげずに声をかけながら動く。

玲「りょーた、くん、?」

隼「泣いてる…」

龍「え?」


ふたりの声が聞こえてきて振り返る。


涼太のまん丸で大きな瞳から涙が零れていた。静かに頬を流れる涙。

龍「どしたん」

ソファに座る涼太の前にしゃがんで涙を拭ってやる。

抵抗はしないけれど、目線は絶対に合わない。


亜「りょーた」

裕「ほれ、みんなおるで」

メ「こっちみてらごらん?」

涼「…んーん!」


急に涼太が力強く服の袖で目元をゴシゴシ拭いて首を振った。そして、笑ってみせた。


急な変わりように、僕たちはついていけない。


涼「ん、」

涙で濡れた目をまたゴシゴシ擦る涼太。

龍「あ、待って。それ痛いやろ」

泣いたこともあるけど、力強く擦るせいで少し赤くなった目元。慌てて手を握ってやめさせる。

すると何も抵抗せずに、大人しく僕の手を握り返してくる涼太。




そしてそのままずっとニコニコしている涼太。

少し前とは違いすぎるその態度に、僕たちも理解できなくて戸惑う。


メ「涼太。このタオル、ちょっと冷たいけど目に当てときな」

涼「やぁっ、」


だけどメンさんがタオルを持ってきてくれた時に、若干ふわふわした幼い口調に気付いた。


退行しちゃってるんだ。

そう気付いた。




だけどだからって、仕事は休めない。

龍「涼太。ちょっと寝るか?」

涼「ん」


泣き疲れたのか、少しうとうとする涼太の隣に座る。



眠ることで少しでもリラックス出来たら。

そう思って涼太に膝枕をしてあげて、優しく頭を撫でた。

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npagxp(プロフ) - 叶夢さん» ありがとうございます! (2020年4月1日 21時) (レス) id: 3150c02125 (このIDを非表示/違反報告)
叶夢(プロフ) - 続編も楽しみにしてます(*´∀`) (2020年4月1日 17時) (レス) id: 08075bc0b9 (このIDを非表示/違反報告)
npagxp(プロフ) - 叶夢さん» お仕事お疲れさまです!そう言って頂けるととても嬉しいです!できるだけたくさん更新できるよう頑張ります! (2020年3月9日 16時) (レス) id: 3150c02125 (このIDを非表示/違反報告)
叶夢(プロフ) - 今、仕事がすごく忙しくて(;_;)このお話読むのが1つの息抜きです(;_;)更新ありがとうございます!! (2020年3月9日 11時) (レス) id: 08075bc0b9 (このIDを非表示/違反報告)
npagxp(プロフ) - 叶夢さん» コメントありがとうございます!今まであまり末っ子を出せなくてすみませんでした…これからはもう少しバランスよくだせるように頑張ります! (2020年2月2日 20時) (レス) id: 3150c02125 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:npagxp | 作成日時:2020年1月19日 10時

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