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#37 ページ37

side涼太

亜「助けて、って言ってごらん?絶対に助けるから。すぐに涼太の所に飛んで行くから」

ストン、と俺の心に落ちてきた亜嵐くんの言葉。
亜嵐くんのその真っ直ぐな言葉は嘘には思えなくて。

涼「んー、ぐすっ、」

もう少し、ここで生きていたい。

亜嵐くんの背中に俺も腕を回して、しっかりと亜嵐くんの温もりを感じた。


涼「たすっ、けて…」

亜「ん、もう大丈夫だよ」

もう、ひとりで抱え込むには大きすぎたんだ。
亜嵐くんの胸に顔を埋めたまま言ったから、たぶんその言葉は聞き取りにくかっただろう。それでも力強く応えてくれる亜嵐くん。


亜「強がらなくていいんだから。もっとお兄ちゃんを頼って?」

涼「んっ」

止まらない涙を流れるままに。

いっその事、このまま涙なんて枯れてしまえばいいのに。


龍「んんっ…りょ、た、?」



そんな時に後ろから聞こえてきたのは、俺のたったひとりの相棒、片割れ。



亜「りょーた、龍友くん起きたよ?」

涼「ん」

だけど涙でぐしょぐしょになった顔をあげたくなくて、亜嵐くんの胸にグリグリと顔を押し付ける。


亜「なーにしんてんの」

龍「りょーた、おいで」

涼「やぁっ」

龍「やぁって何やねん!目の前でそんな冷たいこと言うなや」

涼「ふふっ」

声だけでわかる龍友くんのリアクションが面白くて、思わず声が出る。


亜「涼太、やっと笑ってくれた。これも龍友くんのおかげだね」

涼「ん、」

亜嵐くんの背中に回していた腕を下ろすと、何かを察したかのように亜嵐くんも俺から身体を離す。そしてそのまま優しく背中を撫でて、
"行っておいで"
そう言うかのように優しく微笑んでくれた。

涼「りゅ、とくん」

龍「おいで」

亜嵐くんと反対側に座っていた龍友くんの広げられた腕にすっぽり収まる。


龍友くんの匂い。大好きで、安心する匂い。
逞しい腕に抱きしめられる。少し強すぎる力も、龍友くんらしさ。

"ありがとう"

なんて素直に言えないけれど。



涼「りゅーとくんー」

だんだんと襲ってくる睡魔を誤魔化すかのように、しつこく龍友くんの名前を呼ぶ。

龍「なんやねん。眠いなら寝とけや」


笑いながらそうやって構ってくれる龍友くんだけど。

寝たくない。起きて、またひとりになっていたら?

なんて考えばかりか渦巻く。

龍「大丈夫。涼太が起きてもずっとこうしてるから」

まるで俺の心を読むかのようにそう言って優しくとんとんしてくれる龍友くんに、安心して身を預けて眠った。

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npagxp(プロフ) - 叶夢さん» ありがとうございます! (2020年4月1日 21時) (レス) id: 3150c02125 (このIDを非表示/違反報告)
叶夢(プロフ) - 続編も楽しみにしてます(*´∀`) (2020年4月1日 17時) (レス) id: 08075bc0b9 (このIDを非表示/違反報告)
npagxp(プロフ) - 叶夢さん» お仕事お疲れさまです!そう言って頂けるととても嬉しいです!できるだけたくさん更新できるよう頑張ります! (2020年3月9日 16時) (レス) id: 3150c02125 (このIDを非表示/違反報告)
叶夢(プロフ) - 今、仕事がすごく忙しくて(;_;)このお話読むのが1つの息抜きです(;_;)更新ありがとうございます!! (2020年3月9日 11時) (レス) id: 08075bc0b9 (このIDを非表示/違反報告)
npagxp(プロフ) - 叶夢さん» コメントありがとうございます!今まであまり末っ子を出せなくてすみませんでした…これからはもう少しバランスよくだせるように頑張ります! (2020年2月2日 20時) (レス) id: 3150c02125 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:npagxp | 作成日時:2020年1月19日 10時

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