第十九話. ページ20
そう告げられた途端、背中に冷やかなのにも関わらず、ねっとりとした
ぞわりぞわりと、駆け巡る様な汗が伝ったのを感じた
自分の両親を惨殺した、異能……?
「Aちゃんは……自らの手で、両親を?」
そう問えば森さんは嗚呼、そうだよ。と其の紅い瞳に黒い何かを灯し乍云った
「あの日も異能が暴走したんだ。Aちゃんの両親は助ける一心で向かった」
其の結果、異能の威力は強まり制御不能
其処に残ったのは血に塗れたAちゃんと
原型も留めない程に嬲り、刺殺された両親二人
「其れを見たAちゃんは勿論………限界に達したのだよ」
「…その日も、雨だったの?森さん」
「………そこが問題なのだよ。太宰くん」
“あの日は、確かな晴天だったよ”
瞬きをする事を忘れる程に僕は目を見開いて居た
「太宰くん、私ねポートマフィアの首領を斬ろうと思うんだ」
「…何故、そうしようと思うの」
「今のポートマフィアは横暴だ。無駄な死ばかりを生み出して居る」
「マフィアのしての本質から余りにも踏み外しているのだ」
其れにね、太宰くん。と僕に森さんは目を合わせる
そしてどこからも光を通さない瞳で僕を捉え縛り、口を開いた
“Aちゃんの異能があの日暴走したのも彼の人のせいなのだよ”
その瞬間僕の中に激しい憎悪が渦を巻いた
Aちゃんを護ると云う防衛本能と、限りの無い殺意
「………君は、手を出してはいけないよ」
此が、僕達が先代を殺し、又、立ち会った理由の一つ
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凜(プロフ) - 伊月さん» コメントありがとうございます!物語の構成は創る以前に練った部分もあるのでお気付きになって貰えて嬉しいばかりです……!深夜帯の方が泣ける可能性何故か高いですよね、笑今度も精進して参ります!本当にありがとうございます! (2021年10月21日 21時) (レス) id: da98b739f5 (このIDを非表示/違反報告)
伊月 - 物凄くよかったです!文体がめちゃくちゃ私好みな上、物語の構成がもう涙しか誘わない...泣けなかったけどもw 深夜に読んでこっそり泣こうかな。表現とかもすごく綺麗で、とても参考になりました。漢字沢山使ってて文ストっぽくて好きです!活動応援してますね! (2021年10月18日 12時) (レス) @page50 id: db73aa45c7 (このIDを非表示/違反報告)
凜(プロフ) - まるさん» コメントありがとうございます!神作だなんて私には勿体ない程ありがたいお言葉を頂いてしまって……、、文才ももう褒めてもらえて幸せでいっぱいです!私もそのように優しい主様に出会えて良かったです!ありがとうございます…! (2021年10月6日 0時) (レス) id: da98b739f5 (このIDを非表示/違反報告)
まる(プロフ) - いや、真面目に泣きました。神作過ぎます、、、、、こんなの見れて今日は私の命日なのかな?感動しましたし、作者さまの文才が凄いですね!こんな神作、もう出会えないかも知れない。出会えて良かった、、、、、 (2021年10月4日 23時) (レス) @page49 id: 2eb070a2f9 (このIDを非表示/違反報告)
凜(プロフ) - れなさん» コメントありがとうございます!そのような嬉しいお言葉をいただけて私も幸せですし泣きそうです…、感動できる作品創りを心掛けて居るので良かったです…!本当にありがとうございます! (2021年9月23日 20時) (レス) id: da98b739f5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:凜 | 作成日時:2021年5月28日 21時