幼馴染の君に恋をした３ (ページ9)

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長かった文化祭練習もあと数日で終わる。

そんな時。

今日も紫耀と２人で家まで帰る。

少し前までは恥ずかしくて、手をつなぐのも一苦労だったが

今では人通りの少ない場所では、無言で手を重ねるようになっていた。

それも指を絡める恋人繋ぎで。

いつも通り他愛もない話をしながら歩く。

そして、あと少しで家につくという時だった。

？「紫耀と…廉くん？」

名前を呼ばれたことに驚いて、後ろを振り返る。

紫「お母さん…！！」

そこにいたのは紫耀のお母さんだった。

紫母「あなたたち…。」

廉『あ。』

俺は紫耀のお母さんの目線の先に気づき、慌てて紫耀の手を振りほどく。

廉『どうしよう。』

俺の頭の中は真っ白になってしまう。

きっと俺たちの関係がバレた。

何を言われるかわからない恐怖に俺は目をつむる。

すると

紫「お母さん、大切な話がある。」

隣から俺とは違う落ち着いた声が聞こえた。

俺は静かに目を開ける。

紫「お願い、話を聞いてほしい。」

紫母「…わかった。とりあえず家に入りなさい、廉くんも。」

紫耀のお母さんは静かに笑う。

俺は黙って紫耀の後をついていくことしかできなかった。

紫耀の家に入り、リビングの椅子に座る。

紫母「じゃあ、話。聞かせてくれる？」

最初に口を開いたのは紫耀のお母さんだった。

紫「…お母さん。」

紫耀の声は少し震えていた。

きっと、表に出さないだけで紫耀も緊張しているのだろう。

紫母「うん。」

紫「俺は…廉と付き合ってる。」

紫耀は真っすぐお母さんのことを見つめる。

紫「実は夏ごろから付き合ってたんだ。黙っててごめん。」

紫「戸惑うのもわかる。でも俺は廉のことが恋愛感情で好き。愛してるんだ。」

そこで紫耀は言葉を区切る。

そして紫耀は椅子から立ち上がると頭を下げた。

紫「だから、この交際を許してください。」

そんな紫耀の姿に我慢できなくなり、俺も椅子から立ち上がった。

廉「俺も紫耀のことが大好きです。出来ることならずっと一緒にいたい。幼馴染じゃなくて…恋人と
　して。」

廉「だから俺からも、お願いします。」

俺も頭を下げる。

数秒たった後、紫耀のお母さんの声が聞こえた。

紫母「２人とも、顔をあげて。」