幼馴染の君に恋をした３ (ページ5)

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９８　紫耀side ページ5

紫耀side

だんだんと迫ってきた文化祭。

今決まっているのは、うちのクラスは「ロ〇オとジュリ〇ット」の演劇をやるということだ。

そして今日は配役を決める。

まずは主人公であるロ〇オとジュリ〇ット。

この２人は当然１番セリフも多く、１番目立つ。

紫『まぁ、俺は裏方の大道具とかかな。』

なんていうことを考えていた時。

女「あの、平野君と永瀬君を推薦します。」

紫「！！！！」

突然の意見に俺は驚く。

てか、何言ってるんだよ。

まず、第一にジュリ〇ットは女性だぞ！？

紫「いや、それはちょ…。」

女「それめっちゃ良い！」

俺が反対しようと口を開いた時、賛成の声が上がり始める。

女「うんうん。これならキスシーンも問題なしだしね！」

男「確かに。」

いやいや、確かにじゃないでしょ！

それにキスシーンあるの？！

紫「待って待って、ロ〇オはまだしもジュリ〇ットはどうするの？」

俺の言葉を聞いてクラスは一瞬静かになる。

良かった、これで。

女「何言ってるの？永瀬君に女装してもらうにきまってるじゃん。」

は？

そんな当然のような顔されても。

俺が困惑しているうちに話はどんどん進められ

結局、俺はロ〇オ。廉はジュリ〇ットを演じることになってしまった。

昼休み。

俺は廉と屋上に来ていた。

紫「なんで、俺がロ〇オなんだよ～～～。」

俺は寝転んで空を眺める。

紫「俺、演技なんてやったことないし…。ハァ～～～。」

俺は大きなため息をつく。

廉「まぁ、紫耀はかっこいいからね。」

紫「っ！はっ？きゅ、急にどうしたんだよ。」

廉「いや、本当のこと言っただけだよ？」

廉は笑い声をあげた後、俺の隣に寝転ぶ。

紫「…てかさ、廉は嫌じゃないの？女装。」

廉「うぅ～ん。嫌か嫌じゃないかって言ったら…嫌かな？」

紫「なら…！」

廉「でも。」

廉は俺の手を控えめに握ってくる。

廉「…紫耀が他の女子とキスする方が嫌やもん。」

廉の方を見ると、廉はそっぽを向いていた。

けれど、わずかに見える耳は真っ赤に染まっている。

紫「ふふっ、そっか。」

俺が笑うと、今度は俺の方へ寝返りをうってきた。

廉「…紫耀は、もし俺以外の奴がジュリ〇ット役だったらキスするん？」

上目遣いですがるように俺を見る廉。

紫「…ば―か、するわけねぇだろ。」(小声)

そのまま俺は、廉に軽く唇が触れるくらいのキスをした。