幼馴染の君に恋をした３ (ページ13)

今日:1 hit、昨日:2 hit、合計:95,133 hit

１０６　廉side ページ13

廉side

今日はついに文化祭当日。

クラス発表は午後からなので、午前中は自由にまわっていいことになっている。

廉『そういえば、紫耀に一緒にまわろうって言ってへんわ。』

どうしよう。

最近忙しかったせいですかっり忘れていた。

そんなことを考えているうちに、みんなは席を立ち移動をし始める。

廉『もし、一緒にまわれなかったら…。』

俺は不安になる。

でもその心配はなかった。

すぐに紫耀が俺のそばに来てくれたのだ。

紫「廉、一緒にまわろう？」

廉「うん。あぁ、良かった。」

俺は胸をなでおろす。

紫「ん？何が良かったの？」

廉「いや、もし紫耀と一緒にまわれなかったらって思ってたから。」

紫「廉、何言ってるの？廉意外とまわるわけないでしょ。」

廉「そっか。ありがとな。」

紫「ううん。…で」

すると紫耀は突然後ろを振り返る。

紫「お前らは何をしてるんだ。」

紫耀の目線の先を見ると、そこにはクラスメイトが俺たちをニヤニヤしながら見ていた。

俺は恥ずかしさで真っ赤になる。

けれどそんなこともお構いないしに、クラスメイトははやし立て始めた。

紫「あーもう！廉行くぞ。」

廉「ぇ！」

紫耀は俺の手を掴んで廊下に出る。

廉『そんなことしたら、またいじられるだけやのに。』

その証拠に教室からはさっきよりも大きな声が聞こえてくる。

それでも紫耀は俺の手を離さずにどんどん歩いていった。

紫耀が俺の手を離したのはしばらくたった後だった。

紫「ごめん、急に手掴んで引っ張ったりして。」

廉「別に大丈夫やで。ちょっと恥ずかしかっただけで…。」

紫「それなら、良かった。」

紫耀は安心したように笑う。

紫「廉、どこ行きたいとかある？」

廉「特には無いで。ぶらぶらするだけで楽しそうやし。」

紫「それもいいね。じゃあ、適当に歩くか。」

廉「うん。」

そのまま俺達は横に並んで歩き始めた。