おっちゃんトラップby上本 ページ36
「あふっ…！」
鉄板で焼かれた、出来たてのお好み焼き。
Aちゃんは、それを小そう切り分けて、息を吹きかけてから食べた。
でも、はふはふしとる。
…よほどの猫舌じゃのぉ。
「おいひい…」
上「感想は、食べ終わってからでええから」
Aちゃんは、げに美味しそうに食べる。
見とる自分の顔も、緩んどるんが分かる。
「めっちゃ美味しいです！」
ひと口目を食べたAちゃんは、満面の笑みでわしを見た。
上「そうか、良かったな」
店「姉ちゃん、カキ、焼いたるわ」
「えぇ？！お好み焼きだけ…」
店「わしからのサービスや。待っとれ」
「ありがとうございますっ！」
店「博紀は食うな」
上「分かっとるわ」
無邪気なAちゃんを見るなぁ、あの飲み会以来。
その無邪気さが、初めて会うたおっちゃんまでも惹きつける。
「上本さんも食べないと！」
上「ああ、食べとる」
無邪気なAちゃんと、お好み焼きとビール…最高や。
この思いを知ってほしゅうて、Aちゃんの頭に乗っかるお団子を掴んでみた。
「…上本さん、何やってるんですか？」
上「ちぃと気になって」
Aちゃんは器用や。
あがいに長かった髪を、綺麗に丸うまとめとる。
上『え、ポニーテールじゃ…』
『気分転換に変えてみたんです』
最初、会うた時はビックリしたけど…。
ぶち似合うんじゃなぁ。
上「自分でしたんやろ？」
「はい、不器用なりに頑張ってみました。てか、離してくださいよ」
Aちゃんがわしの手を払いのけて、おまけのカキを差し出してきた。
「カキ、あげますから」
上「しゃーないなぁ」
普段は食べ物で釣られんが、今回は特別に釣られとこう。
「あつっ！」
Aちゃんは、出来立てのカキと格闘中。
普段はしっかりしとるんに、こがいな時はちぃと抜けとる。
…ま、そこがええところなんじゃけどな。
「でも、美味しい！」
店「そうやろ？今朝入ってきたばかりや」
「とれたてぴちぴちですね！」
店「姉ちゃんみたいにな！」
「もーっ！おっちゃんってばー！」
せっかく2人で来たのに、Aちゃんはおっちゃんとばかり話して構うてくれん。
じゃけぇ、頭のお団子を掴む。
「もーっ！新井さん化してる！」
ほいで、手を退けられる。
上「だって、構ってくれんから」
店「はっは！嫉妬しとんかい！まだまだお子ちゃまやなぁ」
上「うるさいわ！」
嫉妬して何が悪い。
拗ねて何が悪い。
好きな娘と一緒に来とるんじゃ。
2人でゆっくり楽しみたいわ！
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Quintet(プロフ) - ゆかさん» コメント、ありがとうございます。あちゃー、私のルーティンがバレてしまいましたね(笑)。あともう半日、あと数時間を過ごす一息になればと思っています。これからも、よろしくお願いします。 (2016年10月14日 16時) (
レス) id: 7f540aaaaf (このIDを非表示/違反報告)
ゆか - 毎日更新されるのが楽しみです！ 毎日4時過ぎにこのお話更新されているか見てしまいます。笑 これからの楽しみにしています！ (2016年10月12日 15時) (レス) id: c3eab76729 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Quintet | 作成日時：2016年10月4日 15時
