からかうのはやめてください。【宇髄天元】

十六 ページ16

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「 もし、心配なら私が一緒にお館様の所へ行きますよ？ 」



『 でも、それではしのぶ様に迷惑が＿＿』





言葉を遮るかのように、
ﾊﾞﾝｯと勢いよく病室の扉が開いた.










「 A、倒れたって本当かよ!? 」





ズカズカと中に入ってくる宇髄様.









『 ああ、えっと…、ただの寝不足でして… 』



「 はぁ？寝不足でもダメだろ！
最近、いつもより地味に元気がないとは思っていたが…

何か寝れねぇ理由でもあるのか？ 」





核心をつかれた.


でも、宇髄様には話せないない＿＿










『 い、いえ. 最近は夜遅くまで書物を読んでいるです.
ほどほどにしますね. 』





「 ……それ、本当か？ 」



『 っ…はい 』





心を読むかのような目に、心臓が跳ねた.


ウソであるとバレませんように.



必死に心の中で願った.





「 …はぁ、分かった.
また夜更かしして倒れることがあるなら、派手に許さないからな. 」










宇髄様はお館様の元へ任務後の報告に行くと言って、その場を後にした.















「 Aさん、
どうして、宇髄さんにはウソをついたんですか？ 」





炭治郎くんが問う.





『 ……宇髄様には迷惑をかけたくないんです. 』



「 Aさん、そうであってもちゃんと話さないとダメだと思いますよ？
特に、宇髄さんには. 」





分かっているんです、

心配してくれた人に対してウソをつくなんて最低なこと.


それでも、私は＿＿















「 あの……、Aさんと宇髄さんはどういう関係なんですか？」







炭治郎くんが問う、








話そうか迷った.


いや、話すことが怖かった…





けれど、炭治郎くんの真っ直ぐな目に応えていた＿＿










『 宇髄様は…、私を助けてくれたんです.

鬼に喰われそうになったところを＿＿. 』










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