【声優・短編集】2

スイッチの違い【梅原裕一郎】 ページ26

梅原side



梅原｢…はぁ｣

最近彼女の鮫川と会えてない

梅原｢やりてぇ｣

向こうはスタッフだし、なんか習い事してっし

忙しいんだろうなとは思うけど



梅原｢(…会いてえな)｣

そんでもって抱きたい

めちゃくちゃやりたい、それで

向こうがもう無理だって言うまでしてやろう



梅原｢…｣

と思ったのに連絡が来ない

梅原｢(忙しいのかな)｣

スタッフがウロウロしてる所に入っていく



｢んーと…ここをこうして…｣

梅原｢鮫川｣

｢うひゃあ？！……えっ、ええっ｣

な、なんで…と真っ青

梅原｢(なんで真っ青)｣

｢どうかしましたか？梅原さん｣



梅原｢…キモイ｣

｢えっ｣

梅原｢普通にしろよ、鮫川｣

｢…なにしに来たの｣

梅原｢何ってデートの誘い｣

｢え、デート…？｣

梅原｢うん、セ●クスしたい｣

｢………えぇ｣

梅原｢抱きたい、んでめちゃくちゃにして｣

梅原｢もう無理ですって事させたいんだけど｣



｢…馬鹿じゃないのこんなところで言って｣

ガサゴソと箱の中身を変えてる

梅原｢ねえ、しよ？｣

｢…ヤダ｣

梅原｢なんで？｣



｢…だって、好きじゃないんでしょ｣

梅原｢…は？｣

｢連絡してくれないし、｣

｢忙しいし、予定合わないし｣

｢…さっき、ブロックした｣

梅原｢(なんでそうなる…)｣



｢私、なんで付き合ってんのかなって思う｣

｢好きとか言わないし、いつも｣

｢やりたいやりたいやりたいばっかり｣

｢私、言ったよね｣

｢デートしたいんだって｣

｢…やることばっかなら、…私にしなくていいじゃん｣

梅原｢…｣



｢…一緒に居て…、つらい…。｣

会えない、連絡もない、報告だけ

そんなの寂しくてつらい、と涙目



梅原｢…ごめん｣

ちゃんと好きなのに

好きだからこそ、したいのに

不安にさせてたんだな、俺



梅原｢…習い事とかしてるし｣

梅原｢疲れてるだろうって思ってさ｣

梅原｢だから、控えてたっていうか｣

｢…女々しくてごめん…子供っぽくてごめん…｣

｢でも、勝手に依存して泣いてるだけで…｣

｢悪いのは私なの、だから、｣



｢…終わりにしようよ…、｣

梅原｢、ヤダ｣

｢ダメだよ、だって…辛いのは…｣

お互いにでしょ、と



梅原｢(なんで伝わらない)｣

結婚とか、子供とか、想像してんのに

それを言っておいたら、安心すると思って

だから、Aに言ったのに



梅原｢絶対別れない、ちゃんと好きだよ｣

言葉にしたいけど、照れくさいの分かれよ

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