２４ページ:手紙 ページ24
「まったく…それじゃあ、俺はお粥持ってくるからちょっと待っててくれよ」
そう言う男に、私は男の服をキュッと掴んだ。離さんとばかりに、しかし弱々しく掴むとそれに気付いたのか、部屋の外へと出ようとする男は足を止めた。
「…どうしたんだ？」
髭を生やしたその男は、私の顔を覗き込み様子を尋ねた。
「…あの人、は？」
「あの人？…もしかして透のことか？」
私は小さく首を縦に振った。
「あいつは仕事だよ。だから君の叔母さんと相談してどうしようか、ってなって俺が来たんだよ。ああ、俺はあいつの友人で、決して怪しいおじさんとかではないから安心してくれよな」
それだけ言うと、おじさんは私と目線を合わせた。目が合うのが少し嫌で目を下へと逸らすと、一枚の紙が目に入った。こんな紙は無かった筈だが、と手に取ると、それは達筆な字で書かれた手紙のようだった。
「ああ、それ透からの手紙だよ。俺が来ることも書いてるから、読むといいよ」
言われるがままに、私は手紙を読み始めた。
読み始めると同時におじさんはどこかへと行ってしまったが、気にせず読むことにした。あの保護者が呼んだ人なら、一応は大丈夫だろう。
…そういえば数値見てなかったが、大丈夫だろうか。流石に保護者の危険度が常軌を逸しているから、その友人も常識外れな数値…なんてことは、まあないか。
手紙の内容は、看病出来なかったことについての謝罪と、自分の代わりに自分の友人が看病してくれるから安心してほしい、ということと、あとはこちらを気遣ったり、早く治るといいねといった励ましだった。
手紙が読み終わると、タイミングを見計らったのか先程のおじさんが入ってきた。
「何か食べたほうがいいと思って、お粥…作ったんだが」
食べるか？とこちらに視線を送ってきたが、正直今は食べたくない。私は少し身を引いてみせると、近くの机にお粥の入った茶碗を置いた。
「…だ、台所」
そういえば、と思い私は口を開いた。おじさんの視線がこちらに向く
「…気持ち悪いの、いた…」
私がそう言うとおじさんははて、と首を傾げたがしばらくすると分かったのかああ、と納得した。
「うん、それならおじさんがやっつけたから大丈夫だよ」
通じたのか、退治報告をした。
その後もおじさんは粥を勧めてきたが、私は首を横に振るばかりで食べなかった。
…作ってもらったところ、悪いとは思っている。ただ…食欲がどうにもまったく湧かないのだ。体調が悪いからだろうけど。
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卵かけご飯の醤油 - みつるさん» ああ、確かに盛者必衰の方が多分内容的に合ってますね。私、てっきり諸行無常も盛者必衰も同じような意味かと思ってて…今ウィキ先生で調べてみました。どうやら意味合いが違うようです…わざわざご報告、ありがとうございます。修正しますね。 (2019年5月29日 19時) (
レス) id: ecf6ee3b9e (このIDを非表示/違反報告)
みつる - 49ページなんですけど…諸行無常ってなんとも言えないという意味だと思います。多分盛者必衰の間違いかと…間違ってなかったらすみません(>_<) (2019年5月29日 18時) (レス) id: d6e134e20f (このIDを非表示/違反報告)
卵かけご飯の醤油 - すすぎさん» そうなんですか…もしよろしければその私の小説と似ているという小説の題名を教えてくれませんか？出来ればその小説と話が被らないようにプロットを書き直すつもりなので… (2019年5月26日 12時) (レス) id: ecf6ee3b9e (このIDを非表示/違反報告)
すすぎ - あまりにも似てるものがあったので..... (2019年5月26日 11時) (レス) id: 28118ed8c0 (このIDを非表示/違反報告)
卵かけご飯の醤油 - ありがとうございます。まさか読みやすいというコメントを貰うとは思っていませんでした…嬉しいです。これからも更新頑張ります。 (2019年5月25日 14時) (レス) id: ecf6ee3b9e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：卵かけご飯の醤油 | 作成日時：2019年5月17日 15時
