１ページ:回想 ページ1
「今日からよろしくね」
にっこり、と擬音がつきそうな笑顔だった。
「…ん」
私は口を開く事無く、小さく頷いた。
今日から、この安室透という人が親になるのだ。私の。
安室透の車の中で、これから家に行くまで今までについて振り返ってみる。
私には、現在を含め三回分の人生の記憶がある。その上、私にはどうやら変な数値を見る能力があるようだった。前者の方は…まあ、後回しにしておこう。
後者の方についてだけど、何故だか最初の人生の時から私は二つの数値が見れた。一つは、その人の危険度。懸賞金と同じだ。高ければ高いほどその人はとっても危険。
もう一つは、その人がどれだけ私を警戒しているのか。一般人は見た目小学生の私を警戒する必要はあまりないだろうし、その人達の私への警戒度は0だ。でもたまにちょっと数値が上がることがある。
前世、実はよく絡まれていた同級生に見よう見まねの武術の構えをとった。すると、その子はこっちにパンチが飛んでくると思ったのか警戒度が上がった。つまりは、私の行動に危険を感じたら…警戒したら、上がるのだろう。
この二つの能力のお陰で私の危機回避能力はとっても高い。でも、死ぬことを回避することは出来ない。
私が分かるのは、人の数値だけだ。でも、事件は避けれても事故や病気を避けることはできない。
まあ、つまりは前世も前々世も事故や病気によって死んでしまったということだ。しかも二回とも成人出来ずに死んでいる。今世の私はまだ3歳だ。つまりまだ大人の仲間入りというのをしたことが無い。
「…はぁ…」
「疲れてるのかい？なら家に着くまで寝てていいよ。着いたら起こすから」
「…ん」
思わず溜息を吐くと隣で運転している安室透に聞かれて気を遣われた。…何故こうなったかというと、今世の私の両親のせいである。
実は前世もそうだったのだが、今世でも両親は交通事故によって死んでいる。その時私はたまたま叔母に預けられ、生き延びてしまった。
だったら誰が私の面倒を見るのか。祖父母はもうこの世にいないらしく、親戚達も自ら引き取るような人はいなかった。叔母も引き取ろうとは思っていたのだが、よく家を留守にしていたので肩身の狭い思いをさせるだろうと思っていた。
そんな時、白羽の矢が立ったのが安室透だ。
私立探偵であり、家を長く空けるようなことは無い。安室透も、別に私を引き取ることに異論は無かったようだ。あとは、流れで…私は安室透に引き取られた。
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卵かけご飯の醤油 - みつるさん» ああ、確かに盛者必衰の方が多分内容的に合ってますね。私、てっきり諸行無常も盛者必衰も同じような意味かと思ってて…今ウィキ先生で調べてみました。どうやら意味合いが違うようです…わざわざご報告、ありがとうございます。修正しますね。 (2019年5月29日 19時) (
レス) id: ecf6ee3b9e (このIDを非表示/違反報告)
みつる - 49ページなんですけど…諸行無常ってなんとも言えないという意味だと思います。多分盛者必衰の間違いかと…間違ってなかったらすみません(>_<) (2019年5月29日 18時) (レス) id: d6e134e20f (このIDを非表示/違反報告)
卵かけご飯の醤油 - すすぎさん» そうなんですか…もしよろしければその私の小説と似ているという小説の題名を教えてくれませんか？出来ればその小説と話が被らないようにプロットを書き直すつもりなので… (2019年5月26日 12時) (レス) id: ecf6ee3b9e (このIDを非表示/違反報告)
すすぎ - あまりにも似てるものがあったので..... (2019年5月26日 11時) (レス) id: 28118ed8c0 (このIDを非表示/違反報告)
卵かけご飯の醤油 - ありがとうございます。まさか読みやすいというコメントを貰うとは思っていませんでした…嬉しいです。これからも更新頑張ります。 (2019年5月25日 14時) (レス) id: ecf6ee3b9e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：卵かけご飯の醤油 | 作成日時：2019年5月17日 15時
