曲者揃いのスリザリンは時間の旅に出るらしい。 (ページ30)

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スリザリン寮ページ30

アルバス、スコーピウス、Aはベッドに座っている。

三人とも何か話そうとするが言葉がでない。

「先生もおっしゃってたけど＿＿＿私たちは少しだけやり方を間違えた。少しだけね」

慎重にAが口を開くとアルバスとスコーピウスは顔をあげる。

ス「確かにそうかもしれない。でも今こうしてまた三人でホグワーツに戻った」

アルバスは黙りこんでまた俯く。

すると、ハリーが部屋に入ってくる。

腹を立てているがそれを表に出さないようにしているようだ。

「こんにちは、ハリー。席を外そうか？」

Aがハリーに愛想よくそう言うとハリーも表情を崩す。

ハ「こんにちは、A。ありがとう、そうしてほしい＿＿＿スコーピウスも体調はどうだ？」

ハリーはスコーピウスを黒雲だと疑ったことを悪く思っているのかスコーピウスに声をかける。

ス「万全までとはいかないけど＿＿＿オーケーだよ」

スコーピウスはハリーに微笑む。

「スコーピウス、行こう。アルバス、またね」

ア「うん、また」

Aとスコーピウスはハリーの脇を通って部屋から出て談話室に降りた。

談話室には誰もおらず、Aは暖炉に火をつけて、スコーピウスとソファーに腰かけた。

ス「A大丈夫か？」

「大丈夫＿＿だと思う。気がかりなことはあるけどね」

ス「アルバスとハリーのことか？」

「それも心配だけど＿＿＿デルフィーが」

暖炉がパチパチと音を立てて燃え上がる。

ス「デルフィー？」

「ええ、いや、考えすぎかも知れないんだけど＿＿＿こうして私たちと離れてる間、彼女は何してるのかなって。アルバスはデルフィーに多分、恋してるでしょ？だから彼女が怪しいと思わない？なんてこと言えなくて」

ス「A＿＿＿でも何となく、その気持ちも分からないでもないよ」

スコーピウスはAの髪を撫でて、安心させようとしてくれる。

「うん、ありがとう。でもやっぱり、考えすぎかもしれないから、もう一度よく考え直すことにする」

Aが微笑むとスコーピウスも微笑み返し、Aの額にキスをして抱きしめた。

Aも強くスコーピウスを抱きしめ返し、胸の中で目を伏せる。

ス「アルバスを待ってみよう」

「それが妥当ね」

暖炉の燃え上がる音が談話室にやけに大きく響いていた。