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音楽室に着くまでの数分
ずっとずっと、レンくんを思い出していた




私の世界は美しいよ、レンくん


1人つぶやく声は
しんみりと響く廊下に埋もれていく



レンくんに会いたいよ


レンくんの笑っていた顔を 思い出してみる
どんな顔をして笑っていたっけ
どんな声をしていたっけ

はやくピアノが弾きたい
レンくんに届くピアノを弾きたい





音楽室の扉に手をかけた時
思わず固まる

誰かがピアノを弾いている



私の好きな歌
まるで口ずさむように優しいタッチで





あぁ、知っている
たしかにこの音を私は知っている





この音は絶対に、レンくんだ。




なんで、どうしてここにいるの
手紙もくれなくなって、
もう会えないはずのれんくんが
どうしてここにいるの





そっとドアを開ける
懐かしい背中、どこかで見ていた背中
嘘だ。嘘だぁ







涙が溢れた
もう、意味を成すことない力がフラフラと抜けてゆく









「レン、くん…っ」






音が止まる
震える右手は宙で浮いたまま









涙が落ちて、私をぐっと見据えるレンくん



私は涙を拭いた
そっとレンくんに歩み寄り
震える右手を掴む







レンくんはやっぱり、音楽を辞めていなかったんだ。









「レンくんは
こんなにも近くにいたんだね…っ」





知っている
その死んだような目も
光をやどす意志を捨てた目も



冷たいお面を貼り付けたように引き攣る唇が開いた






「気づくの遅いよ」






パリンとお面が割れたように
レンくん、ううん。永瀬くんは笑った。

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設定キーワード:永瀬廉 , 平野紫耀   
作品ジャンル:恋愛
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(プロフ) - 作品に出てくる言葉一つ一つが綺麗で言葉の選び方がすごく好きです!作品の雰囲気も素敵でした!素敵な作品をありがとうございました! (12月6日 8時) (レス) id: 2427705538 (このIDを非表示/違反報告)
nny(プロフ) - 今回の作品もすごく面白いです!!前に書いていた勝利くんのやつが気になるので機会があればお目にかかりたいです!! (12月5日 14時) (レス) id: 5f3b77eda2 (このIDを非表示/違反報告)
ドレミ - すごい感動します! (12月5日 11時) (レス) id: 073a14a158 (このIDを非表示/違反報告)
霞草(プロフ) - satsumaimo1995さん» コメントありがとうございます。頑張ります(´O`) (12月5日 0時) (レス) id: 402b5f83f6 (このIDを非表示/違反報告)
satsumaimo1995(プロフ) - 新作楽しみにしていました!頑張ってください! (12月3日 1時) (レス) id: e6668ce924 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:霞草 | 作成日時:2019年12月2日 8時

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