鷲と兎【牛島若利】 (ページ11)

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毎朝の日課ページ11

AM 5時。

私はいつも早く起きる。みんなの朝ご飯とお弁当を用意するから。
お母さん達は朝は居てくれるので、その中で今日の朝ごはんもおいしいなとか、昨日のお弁当も美味しかったよって言ってくれるのが私の毎朝の楽しみでもある。

早起きも嫌いじゃない。むしろ清々しくて、健康的だと思う。

「ううーん今日もいい朝だなぁ」

なんて言って、カーテンを開け、窓も開けて朝の空気を入れる。

「う、眩しい……あれ？」

外を少し見てみると、何やら見覚えあるジャージがこっちに走ってきているのが見えた。

「あれは……」

もしかして、と思ってじーっとその人が走るのを見ていると、やはりそのもしかしてだった。

「牛島くんだ！朝のランニングかな、ここら辺がコースなのかな」

今はまだ朝早い。大きな声は出せないから、牛島くんが走っていくのを見届けようとした。
私の家の前を通って……ない。立ち止まった。どうしよう私、パジャマだ…

牛島くんは、窓から顔を覗く私に対して、ひらりと手を上げ、またササッとランニングをはじめて行ってしまった。

牛島くんも朝だから近所迷惑になると思って、声を掛けなかったのだろう。

「牛島くんが…手を振ってくれた」

なんだか心がほかほかした気がした。
少しだけ浮かれ気分になった後、いつもの制服に着替えて、キッチンへ。

「さて、やりますか」

少しの嬉しさを心に秘め、毎朝の日課を始めようと思います。