君と 3

かけがえのない2人 ページ18

新郎の佑一郎君が入場して来た。
シルバーのタキシードを着た佑一郎君は、列席者の視線を一身に浴びて、とても恥ずかしそう。



そしていよいよ、バージンロードを香織と香織のお父さんが入場。



賛美歌アメイジング・グレイスが厳かに奏でられる中、ゆっくりと歩みを進める香織。
まっすぐ、祭壇前の佑一郎君を見つめて。



きれい…



純白のウェディングドレスに、ヴェールを纏った香織は、最高に美しくて神秘的。



もう、胸がいっぱい。
泣けてきちゃう。



幼馴染みの佑一郎君を一途に想ってきた香織。
佑一郎君とは兄妹のように一緒に過ごしてきたから、これまでの関係が壊れるのがこわくて、素直になれないでいたよね。



高校生の時、佑一郎君に彼女ができたって聞いた時は、落ち込む香織とただ一緒にいる事しかできなくて。



あの時、2人でカラオケ行って、失恋ソングを歌い続けたっけ。
2人とも最後の方は声がかれて、ひどい声だった。



それでも幼馴染みとして佑一郎君の側にいた香織。



佑一郎君が建築士になるために東京の大学に進学するって聞いて、香織も上京するって言い出した時は驚いた。



佑一郎君の進路で自分の進路を決めていいの？ って私は言ったけれど、香織は佑一郎君の側にいる事を選んだ。



その一途な想いが佑一郎君に届いたのは、佑一郎君が設計事務所に就職して、香織は看護師になってから数年後のこと。



香織からそれを聞いた時は本当に嬉しくて、私も一緒に泣いた。



佑一郎君と一緒にいる香織は、いつも楽しそうで、自然で、かわいい。
そんな香織をこれまでの時間をうめるように、とても大事にしてる佑一郎君。



2人と一緒にいると、私も楽しくて、元気になれる。



私が就職を機に上京した時、明るい2人のおかげで辛いことや寂しさを乗り越えられた。



どんな私も、受け入れてくれる優しい2人。
どんなに私が間違っていても、決して見放さないでいてくれた。
私にとって香織と佑一郎君はかけがえのない、友人。



香織、佑一郎君、本当によかった。
おめでとう。
幸せになって。



2人が永遠の愛を誓い、誓いのキスをする時には、私はもう涙が止まらなくなっていた。

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