門出の日 ページ17
都内某結婚式場、今日は香織と佑一郎君の結婚式。
2人の門出を祝福してくれてるような、良いお天気。
いよいよなんだ、こんな日が本当に来るなんて。
ロビーから見える桜の木の新芽が、日差しを受けてとても鮮やか。
それだけで幸せな気持ちになる。
それくらい、私はすでに胸がいっぱい。
式場の方の案内で、同級生の百合子、美咲とチャペルへ移動。
百合子は1児の母。
美咲は教師をしてる。
2人共今日のためにわざわざ北海道から東京まで来てくれた。
他にも同級生が何人もいて、まるで同窓会。
『招待客多いね。挙式でこの位ってことは、披露宴はもっと増えるよね』
チャペルを見渡しながら百合子が言った。
「そうだね、100名ちょっとって言ってた。佑一郎君の会社関係の人が多いみたい。だから地元じゃなくてこっちで結婚式することにしたらしいよ」
佑一郎君は設計士の事務所で、独立を目指して働いている。
お付き合いの範囲も広い。
『ニッシーも出席するってね』
『え!? そうなの!? 成人式以来だー。楽しみ』
突然美咲から西島君の名前が出てドキッとした。
百合子の目がキラキラしてる。
そっか、西島君てみんなに好かれて、あのルックスだし、人気があったっけ。
西島君成人式、出席してたんだ。
知らなかった。
私今までどれだけ西島君に興味無かったの。
『あ、噂をすれば。ニッシー来たよ。うわ、ますますかっこよくなってるー』
『あ、ほんと。濃紺のスーツ似合う。芸能人は違うねぇ。オーラが』
百合子と美咲が後ろを振り返ってはしゃいでる。
挙式開始直前にチャペルに入って来た西島君は、新郎側の参列者席の1番後ろに座った。
前にいる友達に話しかけられて、笑ってる。
確かにかっこいい。
細身のスーツにドレスアップした西島君は、なんだか知らない人のよう。
1週間前、私本当に告白されたの?
もしかしたら夢だったのかも。
この前の木曜に最後に練習した時、西島君は普通だった。
最初だけ、お互い気恥ずかしい感じだったけれど、その後はあの西島君の甘い雰囲気は全くなくて、今までと変わらない態度だった。
どう接したらいいのか悩んでいた私の方が拍子抜けしたくらい。
たぶん、西島君は気遣ってくれたんだと思う。
練習に集中できるように。
おかげで、本番前の最後に良い練習ができた。
うん、やっぱりこのまま、友達のままの方がいい。
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さら(プロフ) - 恋葉さん» コメントをありがとうございます。完全自己満な作品に感想をもらえて嬉しいです。その曲知らなかったので聴いてみました。いかようにも解釈できる、想像膨らむ歌詞ですね。好きなシーンを伝えてもらえて最高にハッピーです。読んでくれて感謝です。 (2020年4月24日 3時) (レス) id: 9f1002156f (このIDを非表示/違反報告)
恋葉 - 楽しませていただいております!!!個人的には7ページのチョコレートの話、Da-iCEのチョコレートシンパシーに似ててすっごい好きです(*´∇`*) (2020年4月23日 19時) (レス) id: 35a567dc92 (このIDを非表示/違反報告)
さら(プロフ) - てんさん» コメントをありがとうございます。楽しみにしてもらえるって嬉しいですね。これからもニッシーの恋の行方を見守って下さい。 (2019年5月9日 1時) (レス) id: 012c2a9612 (このIDを非表示/違反報告)
てん - いつも楽しみにしてます!この物語のにっしーが好きすぎます(*´ω`*) (2019年5月8日 11時) (レス) id: 3758975c70 (このIDを非表示/違反報告)
さら(プロフ) - 憂さん» コメントをありがとうございます。とっても励みになります。楽しんでもらえてよかったです。 (2019年4月25日 3時) (レス) id: 012c2a9612 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さら | 作成日時:2019年4月17日 4時