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会ってない(side N) ページ25

ツアーが終わり、グループの仕事が一段落した11月初旬。
佑一郎、香織の家で飲むことになった。
2人に会うのは夏、佑一郎からプロポーズの報告を受けて以来だ。



「おじゃましまーす」



『おつかれ、西島』



『ニッシーいらっしゃい』



笑顔で迎えてくれる2人。



「はい、これ。後で食おうぜ」



持ってきたスイーツを香織に手渡した。



『わーやった! いつもありがとニッシー』



「今日はみお、いないの?」



買ってきたお酒をテーブルに置きながら、香織に聞いた。



『…うん、用事あって来られないんだって』



「そっか」



てっきりみおも来るもんだと思ってた。
みおとも夏以来会っていない。



あの時の哀しげな、何とも言えない表情が気になっていたから、今日会えたらいいなと思ってたのに。



たまにメッセージのやり取りはしてるけど、他愛もない話題だし。



用事があるなら仕方ないな。





3人で乾杯をして、近況報告をし合う。



佑一郎と香織は両親への挨拶を済ませて、結婚式の準備が進んでるらしい。



「じゃぁ結婚式は来年の4月20日で決まり?」



『おー、決まり。招待状は来年送るから』



佑一郎がそう言うと、



『準備するのはたぶん、いや絶対私だけどね』



香織が皮肉っぽく言った。



「衣装選びもしてんの? この前みおも言ってたな。香織の花嫁姿が楽しみだって」



ふと思い出して話すと、香織は明らかに表情を曇らせた。



『……そっかぁ』



「え、どした?」



『…みお、結婚式来てくれないかも』



そう言って香織はうつむいた。


どういうことだ?



『みおと、あの日以来会ってなくて。なんか、たぶんだけど、私と会うの避けてると思う』



「えー考えすぎだろ、友達と2、3ヶ月会わないなんて普通じゃん。お互い仕事あるんだし」



『私とみおには普通じゃないの! お互いどんなに忙しくても月に2回はランチ行ってたのに。忙しいからって、誘っても断られる』



「本当に忙しいんじゃないの?」



『違う。絶対避けてる、私の事』



香織は缶ビールをグラスに注ぐと、一気に飲み干した。



これは、相当参ってるな。

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作者名:さら | 作成日時:2018年10月29日 0時

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