君と (ページ18)

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恋愛と結婚(side N) ページ18

今日は佑一郎に久々に飲みに誘われ、なじみの居酒屋へ行った。
大事な話をする時はいつもこの店だ。

カウンターに座りビールで乾杯した後、佑一郎から香織にプロポーズしたことを聞いた。
もちろん、承諾してもらえたことも。

「おめでとう佑一郎！」

『おう、サンキュ』

「腹くくったんだ。はぁ結婚かー、いいな。俺も結婚してぇ」

思わず本音が出た。

『相手いんの？』

「いねぇよ、知ってるだろ」

『だな。お前恋愛すると本当にめんどくさいもんな、束縛魔だし』

「いつの話をしてんだよ。俺も少しは大人になったし。今は恋愛したいと思ってないの。でも結婚はしたい。子どもほしいなぁ」

そんな都合のいい話はない。わかってるけど。

『女に不自由しないだろ、お前。しゃべらなければ』

「佑一郎、最後の言葉余計だから。かわいいなと思う子はいっぱいいるけど、それ以上には思わないな。俺の頭ん中、今は音楽でいっぱいだから」

『お前本当に仕事人間だな』

呆れたように笑う佑一郎。

そう、今はやりたいことがありすぎて時間が足りない位だ。
俺の体があと3体あればいいのに。

そう思う反面、男として大きな決断をした佑一郎を羨ましいとも思う。
こうして皆、幸せにしたいと思う人と結婚して、家族を持つんだな。

俺にはまだ、そんな未来はすぐには描けないけど。